InDesignには様々な詰めの機能が搭載されており、カーニングやトラッキング以外にも様々な方法で文字詰めが可能になっています。そこで今回は、InDesignの持つ様々な詰めの機能についてまとめてみたいと思います。「均等詰め」「プロポーショナルな詰め」「その他の詰め」の3つに分けて考えてみました。
均等詰め
フレームグリッド設定による均等詰め
[字間]に「−1H」などを設定することで均等詰めができます。この機能はトラッキング処理をすることで実現しているため、すべての文字が詰まります。そのため、場合によっては欧文等のトラッキングを解除する必要があります(Study Room 2.0J No.11参照)。
ジャスティフィケーションを利用した詰め
ジャステイフィケーションの[文字間隔]を設定することでも均等詰めが可能です(Study Room 1.0J No.63参照)。
プロポーショナルな詰め
カーニング
カーニングは、従来の数値入力による方法(1/1000em単位)か、[オプティカル][和文等幅][メトリクス]のいずれかが選択できます(Study Room 2.0J No.18参照)。
- オプティカルは、隣り合った文字間のアキを文字の形に基づいて調整します。そのため、カーニング幅は、文字の形によって変わります。
- 和文等幅は、和文では詰めを行わず、欧文のみをメトリクスで組みます。
- メトリクスは、フォントに含まれるペアカーニングの情報をもとに字間を詰めます。ペアカーニングとは、特定の文字の組み合わせのアキに関する情報で、LA・To・Tr・Ta・Tu・Te・Ty・Wa・WA・We・Wo・Ya・Yo・yoなどがあります。なお、和文でもペアカーニングの情報を持つフォントでは、詰めが行われます。
トラッキング
適用した文字の次の文字との字間を1/1000em単位で詰めます。
文字ツメ
カーニングやトラッキングが次の文字との間隔を詰めるのに対して、[文字ツメ]は文字の前後のアキを調整します。0~100%の範囲で設定できます。和文に適した詰めの機能です(Study Room 1.0J No.10参照)。
プロポーショナルメトリクス
OpenType機能にある[プロポーショナルメトリクス]は、OpenTypeフォントのみで使用できる機能です。OpenTypeフォント自体が持つ詰め情報をもとに、文字詰めを行います。
その他の詰め
文字前(後)のアキ量
特定の文字のアキを部分的に調整したい場合に使用すると便利です。「ベタ」「八分」「四分」「三分」「二分」「二分四分」「全角」の中から目的のものを選択します。
文字組みアキ量設定を使用した詰め
[文字組みアキ量設定]の特定の文字クラスの値をマイナスに設定することで、そのクラスの字間を詰めることが可能です。例えば、ひらがなのみを詰めたい場合には、下図のように設定します。
このようにInDesignでは様々な方法での文字詰めが可能です。状況に応じて使い分けて下さい。