本文などに1歯詰めをするには、下図のように[字間]に「−1H」を設定してやる事で実現できます。
この設定で作ったサンプルが下図です。
適当な文字間にカーソルを入れてみるとわかりますが、InDesignの1歯詰めは[字送り(トラッキング)]を利用して詰めています(下図参照)。今回のケースだと本文が13Qですので、
1000×1/13≒77
で[字送り(トラッキング)]が「−77」になるというわけです。
ところが、InDesignでは[字送り(トラッキング)]をマイナス値にする事で、「−1H」詰めを実現していますので、当然のように欧文も詰まってしまいます。
しかし、欧文部分の[字送り(トラッキング)]のみ解除したい場合もあると思います。そんな場合は[検索/置換]の機能を利用する事で欧文部分の[字送り(トラッキング)]を解除(0にする)しましょう。
まず上図のように[文字種変換]を選び[検索文字列]と[置換文字列]に「半角数字」を選びます。そして[フォーマット設定を置換]の[形式]をクリックして、出てきたダイアログで[基本文字形式]を選び[字送り]を「0」にします(下図参照)。
これであとは置換してやれば良いのですが、まだ完全ではありません。欧文間のスペースや和欧間の[字送り(トラッキング)]までは解除されないのです。これらの[字送り(トラッキング)]を解除するには、下図([検索文字列]に「文字」と「欧文アルファベット」を選ぶ)のように設定して、置換をします。
しかし、ここまでしてもまだ完璧ではないのです。スペースと1バイト数字間や和文と1バイト数字間の[字送り(トラッキング)]は、まだ解除されないのです(下図参照)。この場合には、同様の方法で[検索文字列]に「文字」と「数字」を選んで置換すればよいのですが、この方法だと今度はスペースと2バイト数字間・和文と2バイト数字間の[字送り(トラッキング)]まで解除されてしまいます。
そのほかにも、使用した機能によっては、どこかに詰めが解除されていない箇所があるかもしれません。つまり本当の意味で完璧に[字送り(トラッキング)]を解除するには、最終的にはひとつひとつチェックするしかないのかもしれません。
あくまでも個人的な意見ですが、「−1H」詰めで欧文のみ詰めを解除する方法をとるよりは、[文字詰め]や[オプティカルカーニング]を使用するほうがいいかもしれませんね。
(追記 2002.2.28)
当BBSで、またたびさんから欧文および欧文間の1バイトスペースの[字送り(トラッキング)]を一度に解除する方法を教えていただきましたので、ご紹介させていただきます。
まず、目的のテキストを全て選択し[文字]パレットの[言語]を「英語:米国」に変更します(下図参照)。
次に下図のように[フォーマット設定を検索]と[フォーマット設定を置換]を設定し、置換します。
これで欧文および欧文間の1バイトスペースの[字送り(トラッキング)]を一気に解除することができます。和文(2バイト文字)と欧文間(1バイト文字)の[字送り(トラッキング)]も解除したい場合には、先に紹介した方法で置換して下さい。
(追記 2002.4.11)
当HPを見ていただいている方から、有益な情報を教えていただきました。英数字の字送りを解除するPlug-inがLCSさんからFreeWareで出ているそうです。試してみましたが、簡単に字送り(トラッキング)を0にすることができました。とても便利ですので、是非1度お試し下さい。
(ただし「和文と欧文間」「和文と1バイト数字間」の字送り(トラッキング)までは解除されません。この部分の字送りも解除したい場合は、別途置換が必要です。)
ENum Plug-in 1.2(InDesign 2.0J, InDesign 1.0J Mac版)
http://www.loyal.co.jp/gaiyou/l_group/LCS/LCS.html
(追記 2002.6.13)
上記ENum Plug-inがバージョン1.21になりました。
このバージョンでは「和文と欧文間」「和文と1バイト数字間」の字送り(トラッキング)も解除してくれ、とても便利になっています。