InDesign 2.0Jでは、QuarkXPressファイルの変換についても強化されたようです。
QuarkXPress 4.1のファイルをInDesign 2.0Jで開き、各機能がどのように変換されるのかを検証してみました。
(行揃え)
問題なく変換できました。ただし、QuarkXPressで「強制割付」を使用する場合、最後にリターンキーを挿入しないと強制割付は適用されませんが、InDesignではリターンキーなしでも「両端揃え」が適用されます。
(文字揃え)
「上揃え」は「仮想ボディの上/右」、「センタリング」は「中央」、「ベースライン」は「欧文ベースライン」、「下揃え」は「仮想ボディの下/左」に変換されます。
(テキストボックス)
テキストボックスに方形以外を使用している場合、ボックスの形によってはテキストがはみ出して表示されます。
(ぶらさがり)
InDesignではぶらさがりは反映されず、ぶらさがり領域にもテキストが配置されます。
(縦組みの文字の変形)
「横比率」は「垂直比率」に、「縦比率」は「水平比率」に変換されますが、これは表記方法の違いのためで、文字の見た目には変化はありません。
(線種)
「ラインの種類」や「矢印の先端」については、ある程度は変換されますが、「線分」や「間隔」が異なるなど完全には変換されません。
(段落罫線)
段落罫線のオフセット値が%ではなく、絶対値で設定されている場合のみ正確に変換されます。
(ルビ)
「\」を使用してモノルビをふったものは、1文字ずつのグループルビとして認識されます。
「相対サイズ」や「ベースラインシフト」「横比率」「縦比率」は正しく変換されますが、「トラッキング」や「揃え」は無視されます。
1行目にルビがある場合、QuarkXPressではボックス内にルビが収まるのに対し、InDesignではフレームの外にルビが配置されます。
(トラッキング)
問題なく変換できます。ただしQuarkXPressは1/200em、InDesignでは1/1000emと単位が違うため数値は換算される。
(アウトライン文字)
「テキストのボックス化」でアウトライン化したものは、正常に変換できません。
(禁則処理)
QurkXPressの禁則処理は、InDesignでは新しい禁則処理として読み込まれ、特に問題はありません。
(縦組み中の文字回転)
正常に回転されますが、「縦比率」「横比率」「トラッキング」は反映されません。
(配置画像)
QurkXPressではboundingboxの数値を参照して画像を配置しています。InDesign上では画像の幅や高さ、スケール値が若干異なって表示されるが、正確に変換されるようです。リンクも問題ありませんでした。
(パスタイプツール)
QuarkXPressとInDesognで表示される座標値に微妙な狂いが見られますが、ほぼ問題ないようです。
(テキストの傾斜)
正しく変換されず、傾斜は無視されます。
(ベースライングリッド固定)
ベースライングリッド固定を使用した場合、InDesignでは「グリッド揃え」が「欧文ベースライン」に設定されるため、行の位置がずれます。
(1行目のベースライン)
「オフセット」は正常に変換されますが、「最小値」は「アセント」、「大文字の高さ」と「大文字+アクセント」は「キャップハイト」に変換されます。
(回り込み)
上下左右のオフセット値が異なって変換されます。
(アンカーボックス)
「テキストとの揃え」は無視され、InDesignの仮想ボディの底辺に配置されます。また文字組みが崩れたり、縦組みの場合にはアンカーボックスが90度回転して表示されます。
(上付き文字、下付き文字)
正常に変換されるが「肩文字」は「上付き文字」に変換されます。
(フォントセット)
「漢字」や「かな」の「ベースラインシフト」「文字の変形」がInDesignでは反映されないほか、InDesignには「全角約物」「全角記号」などの設定項目があるため、完全には変換されません。しかしInDesign側で設定を修正してやることで使用は可能。
(その他、試してみて問題がないと思われる機能)
- ベースラインシフト
- カラー
- カーニング
- 原点
- 座標値
- インデント
- 前段落との間隔、次段落との間隔
- ボックスの回転、傾斜
- テキストとの間隔
- テキストの角度
- ドロップキャップス
- 水平フリップ、垂直フリップ
- ボックス内の行位置
- タブ
- スタイルシート
- ガイド
- セクション
- マスターページ