InDesignではIllustratorのオブジェクトを様々な方法で配置する事ができます。[ファイル]→[配置]コマンドを利用したり、ファイルアイコンをInDesignのドキュメント上に直接ドロップしてやればリンクとして配置できますが、Illustrator上でオブジェクトを選択し、InDesignのドキュメント上に直接ドラッグ&ドロップ、またはコピー&ペーストすれば、リンクではなくInDesignのオブジェクトとして編集可能な状態で取り込む事ができます。
ところが先日、下図のような簡単なパス図形をIllustrator 10.0.1からドラッグ&ドロップした所(ファイルアイコンのドラッグ&ドロップではない)、InDesignに取り込む事ができないではありませんか。
コピー&ペーストだと配置する事はできるのですが、埋め込まれた画像として配置されてしまいました(下図)。
Illustrator 8.0.1や9.0.2では問題なかったのに、なぜだか原因がわからなかったのですが、宮口さんという方から、解答をいただきました。Illustrator 10からはクリップボードのコピー形式がPDFに変更されたからだそうです。Illustrator 9では、デフォルトは[AICB]になっていましたが、10からはPDFに変更されました(下図参照)。[環境設定]→[ファイル・クリップボード]の[コピー形式]で[AICB]にチェックを入れればOKだそうです。
今回は、Illustratorのパス図形をそれぞれのバージョンからコピー&ペーストした場合に、どうなるかを検証してみました。
Illustrator 8.0.1
グラデーション未使用のパス図形:正常に取り込む事ができる。
グラデーション使用のパス図形:下図のようなアラートが出て、埋め込み画像として配置される。
Illustrator 9.0.2/Illustrator 10.0.1
グラデーション・透明未使用のパス図形:正常に取り込む事ができる。
グラデーション使用のパス図形:下図のようにグラデーションがバラバラに分割される。
透明使用のパス図形:下図のように透明部分が分割されたオブジェクトになる(但し、[環境設定]→[クリップボード]の[コピー形式]が[パスを保持]になっていると正常にコピーされません。[アピアランスを保持]にチェックを入れて下さい)。
という結果になりました。グラデーションや透明を使用したオブジェクトをIllustratorからコピーする場合は編集が大変になりますので、InDesign上でグラデーションや透明効果を適用したほうが良さそうです。