2023年度版のIllustratorとInDesignでは、それぞれ書式を保ったままテキストのコピー＆ペーストが可能となりました。まずは、Illustratorドキュメントのテキストをコピーし、InDesignドキュメントにペーストしてみます。
まず、前提として2022年度版までのIllustratorドキュメントでコピーしたテキストを、InDesignドキュメントにペーストする場合、文字ツールでテキストをコピーした場合は、プレーンなテキストとしてペーストされます。また、選択ツールでコピーした場合は、（テキストとしては編集不可の）画像としてペーストされます。
では、2023年度版のIllustratorドキュメントのテキストを選択ツールで選択してコピーします（下図）。
2023年度版のInDesignに切り替え、ドキュメントにペーストします。すると、下図のように書式情報を持たないテキストとしてペーストされます。なお、事前に作成したテキストフレーム内にカーソルをたててペーストしてもOKです。
このテキストフレームの右下に［T］のアイコンが表示されるので、クリックすると［書式付きでペースト］というアイコンが表示されるので選択します（下図）。
すると、テキストオーバーフローの表示になるので、フレームサイズを大きくしてテキストを表示させます。Illustratorドキュメントのままの状態でペーストされたのが分かります（下図）。
もちろん、文字ツールでテキストを選択して変更することも可能です。しかし、大きな問題があります。元のテキストはCMYKだったにもかかわらず、RGBでペーストされてしまいます（下図）。これでは業務に使えないですよね。早急に修正されることを望みます。
なお、書式付きでペーストできますが、完全な状態でペーストできるわけではありません。以下に、引き継がれる設定と引き継がれない設定を書いておきます。なお、大前提として複数のテキストフレームや、テキストとシェイプ等、複数のオブジェクトを一緒にコピーした場合には書式付きでのペーストは反映されません。
引き継がれる設定
- フォント、フォントサイズ、行送り
- 段落揃え
- カーニング、トラッキング、文字詰め
- ベースラインシフト
- プロポーショナルメトリクス
- コンポーザー
- 縦中横
- 割注
- 文字揃え
- アキを挿入（左/上）【文字前のアキ量】／アキを挿入（右/下）【文字後のアキ量】
- 禁則調整方式
- 文字回転
- 下線
- 打ち消し線
- オールキャップス／スモールキャップス
引き継がれない設定
- CMYKテキストが、RGBカラーでペーストされる
- 禁則処理はすべて［強い禁則］に
- 文字組みアキ量設定はすべて［行末約物半角］に
- アピアランス
- 縦組みは横組みとしてペーストされる（ただし、事前に縦組みのテキストフレームを作成しておき、フレーム内にカーソルをたててペーストすれば縦組みとしてペーストできます）
※ここで記述した設定と、動作が異なる場合や追加しておいた方が良い設定があれば、「講習のご案内」ページの一番下にある「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。
（追記）
現在、CMYKがRGBでペーストされてしまう問題は解決されています。
