InDesign 1.0Jのカーニングでは[オプティカル]と[メトリクス]の2種類が用意されていましたが、2.0Jでは[オプティカル][和文等幅][メトリクス]の3種類のカーニングが用意されています(下図参照)。
Adobeテクニカルソリューションデータベース サポート文書番号221591によると、1.0Jで[オプティカル]カーニングを使用したものを2.0Jで開くと文字組みが崩れる場合があるということなので試してみました。
上図は1.0Jで[オプティカル]カーニングを使用して組んだものです。[文字組みアキ量設定]は「行末約物半角」を使用しています。
このドキュメントを2.0Jで開くと上図のようにテキストの文字位置がずれます。2.0Jでは高品質な文字組版を行うために仕様の変更が行われ、1.0Jと全く同じ組版状態を保持することはできないそうです。
1.0Jのドキュメントを2.0Jで開いたら、まず全ストーリーの再計算【command+option+/(WindowsはCtrl+alt+/)】を行い、文字位置を確認後、2.0J上で文字位置の編集を行ってほしいとの事です。
ちなみに1.0Jのカーニングは2.0Jでは、
オプティカル → オプティカル
メトリクス → 和文等幅
に変換されます。
※[オプティカル]カーニングとは、文字の隣り合った文字間のアキを文字の形に基づいて調整する機能で、隣り合った文字の組み合わせによりアキの調整が変わります。欧文に適用した場合に効果を確認できますが、和文では仮想ボディというボックスの概念で作成しているため欧文ほどこの効果は得られません。また文字詰めの間隔が不均等になるため、和文に対しての使用はAdobeでは推奨していないようです。
ちなみにフォントの持つ詰め情報を使用したい場合には[OpenType機能]の[プロポーショナルメトリクス]を使用すると良いそうです。