InDesign CSでは、変形パレットの[スケール]を使用して画像を拡大/縮小する場合の動作が、2.0から少々変更されています。
上図は2.0のキャプチャで、線幅を1mmに設定した画像です。これを選択ツールで選択し、変形パレットの[スケール]を使用して50%に縮小します。
すると画像は50%に縮小されますが、変形パレットの[スケール]の表示は50%のままです(上図)。また、線の太さは半分の0.5mmになりますが、[線]パレットの表示は「1mm」のままでした。
※[線]パレットのフライアウトメニューの[内容を変形]にチェックが入っていない場合、フレームのみが縮小され、画像自体は縮小されません。
今度は同じ画像をCSで50%に縮小してみます(選択ツール使用)。すると変形パレットの[スケール]の値は、縮小されると同時に100%に戻ります。また線幅は縮小されていないのがわかります(上図)。
これは変形パレットに新しく[線を拡大/縮小]というメニューが増えたためです(上図)。このメニューはデフォルトではオフになっていますが、オンにすると2.0と同様の動きをします。
上図は[線を拡大/縮小]をオンにした状態で50%に縮小したものですが、2.0と同様[スケール]の表示は50%のままで、線幅も半分に縮小されているのがわかります。
注意点
線幅を設定した画像を、選択ツールを使用して拡大/縮小する場合には注意が必要です。下図は上で50%に縮小した画像を、ダイレクト選択ツールで選択した状態のものです。[スケール]の値が50%と異なっているのがわかります。
これは線幅を設定したときの線パレットの[線の位置]が関係しています(下図)。[線の位置]に何を選択しているかで、拡大/縮小時の[スケール]の値は変わります。つまり選択ツールを使用して拡大/縮小した場合には、線幅も含んで拡大/縮小されるため、フレームと中の画像の拡大/縮小率が変わってしまうのです。
真ん中の「線を内側に揃える」を選択している場合は大丈夫ですが、他のものを選択している場合は、フレームと中の画像のスケール値が異なりますので注意して下さい。
2.0からCSにコンバート時の注意点
2.0のドキュメントをCSで開く場合は注意が必要です。下図はInDesign 2.0.2で、シアンのオブジェクトを50%に縮小し、回り込みを3mmに設定したものです。
これをCSで開くと下図のようになります。「スケールX%」も「スケールY%」も、ちゃんと50%と表示されており、回り込みも維持されています。
しかし、シアンのオブジェクトの位置を移動させたとたん、回り込みが3mmの50%で1.5mmになってしまいます(下図参照)。注意して下さい。なお、スケール値を変更すると、その値に拡大/縮小されると同時にスケール値は100%に戻ります。