InDesignには、欧文用と和文用にそれぞれ「単数行コンポーザ」と「段落コンポーザ」が用意されています。「単数行コンポーザ」が1行単位で改行位置を決定しているのに対し、「段落コンポーザ」ではどこで改行するかの判断を段落単位で行っています。そのため、文字を修正するとそれ以前の行であっても改行位置が変更される場合があります。どちらの仕様が良いかは一概に言えませんが、赤字を修正した時に、前の行の改行位置が変わるのが嫌な場合は「単数行コンポーザ」が良いでしょう(私は、基本的に「段落コンポーザ」を使用しています)。
では、欧文用と和文用のコンポーザはどこが異なるのでしょうか? Study Room CS No.17を見ていただくと分かりますが、「欧文用のコンポーザ」を使用して欧文テキストを組んだ場合は、欧文スペースでアキを調整しているのに対し、「和文用のコンポーザ」を使用して欧文テキストを組んだ場合は、文字間(文字組みアキ量設定)でアキを調整しています。
では和文テキストを組んだ場合はどうでしょうか。
上の図が[Adobe日本語段落コンポーザ]を適用したもの。下の図が[Adobe欧文段落コンポーザ]を適用したものです。文字組みが変わるのが分かります。
この図だけでは分かりにくいかもしれませんが、[Adobe欧文段落コンポーザ]を適用した方は、[グリッド揃え]の種類、[行送りの基準位置]、[文字組みアキ量設定]、[禁則処理]、[文字ツメ]、[行取り]など、和文組版専用の機能はすべてスキップされます。また、縦組みで[Adobe欧文段落コンポーザ]を使用すると下図のように文字が横向きになってしまいます。
和欧混植等、和文を使用するテキストを組む場合には、必ず「和文用のコンポーザ」を使用しましょう。