テキスト変数は、おもに段落スタイルから柱を自動生成するようなケースでよく使用されますが、ここではテキスト変数を画像チェックに活用する方法を記述したいと思います。
まずは、どのようなことができるのかをご紹介します。下図のような画像とテキストフレームがあります(テキストフレーム内のテキストは[テキストの配置]を[下]にしています)。
このテキストフレームを画像にかかるよう移動します。すると、画像の実行解像度や画像名、フォルダー名が表示されました(下図)。これは、テキスト変数の機能を活用することで実現できます。
さらに、画像のサイズを変更してみましょう。すると、実行解像度が変更されました(下図)。このように、画像のサイズに応じて実行解像度が表示されるわけです。この機能を利用すれば、素早く画像の状態をチェックすることが可能となります。
では、このテキストフレームをどのように作るのかを見ていきましょう。まず、[書式]メニューから[テキスト変数]→[定義]を選択します(下図)。
※設定は、デフォルトに戻しています。
[テキスト変数]ダイアログが表示されます。デフォルトでは、[フィル名][ランニングヘッド・柱][作成日][修正日][出力日][最終ページ番号][画像名][章番号]がありますが、ここでは新しく項目を追加します。まず、[新規]ボタンをクリックします(下図)。
[新規テキスト変数]ダイアログが表示されるので、まずは画像解像度を表示するようなテキスト変数を作成してみましょう。[名前]を[ppi]とし、[種類]に[メタデータキャプション]を選択します。そして[メタデータ]に[編集後のppi]を選択します(下図)。
つぎに、必要に応じて[先行テキスト]と[後続テキスト]を入力します。ここでは、[先行テキスト]に[実行解像度:]、[後続テキスト]に[ppi]を入力しました(下図)。
同様の手順で「フォルダー名」を表示するテキスト変数を作成しました(下図)。
また、既存のテキスト変数を変更することもできます。ここでは「画像名」のテキスト変数に[先行テキスト]を追加しました(下図)。
設定が終わったら[新規テキスト変数]ダイアログを終了させ、テキストフレームを作成します。次に、テキストを入力できる状態にし、[書式]メニューの[テキスト変数]の中から必要な項目を選択します。ここでは、まず[ppi]を選択しました(下図)。
すると、テキストフレーム内に下図のようなテキストが入力されます。
同様の手順で[テキスト変数]の中から必要な項目を選択します(下図)。
これでできあがりです。このテキストフレームを目的の画像に重なるようにすれば、必要な情報が表示されます。なお、このドキュメントを他の人に渡す場合は注意しましょう。「このテキストフレームは何だろう?」と疑問に思う方もいると思うので、レーヤーを分けて、このレイヤーのみを非表示にしておいたり、[プリント属性]パネルで[印刷しない]をオンにしておくと良いでしょう。
※この記事は、InDesign 20周年記念イベントで小林さんが講演された内容をもとに記述しています。詳細は、以下の動画でご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=GSI9Qa7odcA&list=PLF_lcvNhVWn9buL40IFoJJbQgD4ZixhsR&index=6