InDesignでは次の3種類のPostScriptファイルとして保存することができます。
- デバイスに依存しないPostScriptファイル
- デバイスに依存するPostScriptファイル
- デバイスとドライバに依存するPostScriptファイル
それぞれの特徴を簡単にまとめました。
(詳しくはユーザガイドP.402~405を参照して下さい。)
デバイスに依存しないPostScriptファイル
- トラップや面付けなどの後処理が理想的な状態で行われる。
- ほとんどすべての出力機器で印刷可能(出力機器とドライバに対する情報はすべて除去される)。
- カラーの出力は常にコンポジットCMYKで特色も含まれる(カラーは処理後のソフトウェアまたはIn-RIP分解を使用しているRIPでは色分解可能)。
- トラップはRIPまたは後処理のソフトウェアで行う必要がある(InDesignではトラップ処理は行われない)。
- InDesignから(出力機器やアプリケーションに直接ではなく)ファイルに出力される。
- コンポジットのプリプレスワークフローに最適。
デバイスに依存するPostScriptファイル
- トラップや面付けなどの後処理が理想的な状態で行われる。
- リンクファイルの情報、スクリーン線数の最適化、解像度、現在選択されている出力機器に調整された使用可能な用紙サイズ等、ドキュメントのすべての記述が含まれる。
- ドライバに対する情報はすべて除去される。
- トラップはInDesignで処理できる(InDesign側でのトラップ、またはAdobe In-RIPトラップのどちらかを使用できる)。
- InDesignから(出力機器やアプリケーションに直接ではなく)ファイルに出力される。
- 事前色分解またはトラップのワークフローに適している(InDesignで自動で、あるいはAdobe In-RIPトラップ機能を使用してトラップ処理を行う)。
デバイスとドライバに依存するPostScriptファイル
- ドライバに依存する(PostScriptファイルがInDesignまたはドライバによって生成されたコードを含んでいる)。InDesignのコードは主に、フォントのダウンロードを含めたページ内容と、機器の基本的な情報(用紙サイズ、解像度、スクリーン線数など)の設定のための役割をする。ドライバは主に、ドライバの特殊な機能(ウォーターマーク)とPPDによって得られる機器の特殊な機能を可能にしたり制御したりする。
- 出力機器に依存する(機器の特定の機能を可能にして制御し、ターゲットデバイスよりも他の機器とより低い互換性にするコードを含む)。
- コンポジット、色分解が可能。
- トラップはInDesignで処理可能(InDesign側でのトラップ、またはAdobe In-RIPトラップのどちらかを使用できる)。
- PostScriptプリンタで校正する場合に適している。
「デバイスに依存しないPostScriptファイル」または「デバイスに依存するPostScriptファイル」を作成するには、プリントダイアログで[プリンタ]に[PostScriptファイル]を選びます。[PPD]に[デバイスに依存しない]を選ぶと「デバイスに依存しないPostScriptファイル」が作成され、[PPD]に[最終出力機器]を選ぶと「デバイスに依存するPostScriptファイル」が作成されます。
「デバイスとドライバに依存するPostScriptファイル」を作成するには、プリントダイアログで[プリンタ...]をクリックし(上図)、出力先に[ファイル]を選び保存をクリックします(下図)。そしてInDesignのプリントダイアログで[プリント]をクリックします。