InDesignでは、組み込みのトラップエンジンを使用して行うトラップと、より強力なAdobe In-PIPトラップエンジン(Aobe PostScript出力デバイスを利用できる)を使用して行うトラップの、2種類のトラップをすることができます。選択はプリントダイアログの[色分解]の[カラー]で設定します(下図参照)。
Adobe In-PIPトラップエンジンの方が組み込みトラップエンジンよりも強力ですが、Adobe In-PIPトラップエンジンを使用するには、Adobe In-PIPトラップをサポートするPPD(PostScriptプリンタ記述ファイル)と、Adobe PostScript2以降の出力デバイスが必要です。
以下にこの2つのトラップエンジンの違いをユーザガイドをもとに簡単にまとめてみました。
- トラップ幅の最大値は8ポイントですが、組み込みトラップのトラップ幅は4ポイントに制限されています。
- 組み込みトラップはBMP、GIF、JPEG、PCX、PICT、PNG、PSD、TIFF、WMF形式で保存された画像をトラップすることはできますが、AI、DCS、EPS、PDF、PostScript形式のグラフィックをトラップすることはできません。これらをトラップするにはAdobe In-PIPトラップを使用します。
- 組み込みトラップで最良の結果を得るには、PostScriptフォントだけを使用します。TrueTypeフォントを使用した場合、不適切なトラップを行う場合があるそうです。
- 組み込みトラップはマシンの速度に依存します。アクセス速度の速いハードディスクと高速なデバイスを使用する事が速度アップにつながりますが、早くマシンを開放したい場合にはAdobe In-PIPトラップを使用することを考慮します。
また新規にトラップスタイルを作成するには[ウィンドウ]→[トラップスタイル]を選択します(上図)。パレットメニューから[新規スタイル]を選択すると下図のようなダイアログが出てきますので、各項目を設定します。各項目の詳細についてはユーザガイドP.335~337を参照して下さい。
トラップスタイルは、ドキュメントの任意のページに割り当てることができます。[トラップスタイル]パレットから[トラップスタイルを割り当て]を選択し、出てきたダイアログ(下図)で適用するページ範囲を指定します。
当方にはセッターなどの出力環境がありませんので、検証を行ったわけではありません。ユーザガイドをもとに簡単にまとめましたが、もし間違い等ありましたらご指摘下さい。