番外編
先日セミナーで、Illustrator 10のドキュメントをIllustrator CSで開く場合のポイントについての話がありました。このサイトはInDesignのサイトですが、InDesignを使用している方はIllustratorも使用していると思いますし、なるほどと思う内容でしたので、今回は番外編としてIllustrator CSについて記述させていただきます。
Illustrator CSでは、文字組みエンジンが大幅に変更され、これまでのバージョンとの互換性はあまりないようです。そのため、文字組みが大幅に変わってしまうのですが、これまでのバージョンの文字組みに近い状態を再現することは可能なようです。
まず、Illustrator 10.0.3で下図のようなサンプルを作成しました。
次にこのドキュメントをIllustrator CSで開きます。すると下図のようなアラートが出ます。
ここで[更新]をクリックすると、完全にCSのドキュメントになってしまうので、ここでは[OK]をクリックします。次に文字ツールでテキストを編集しようとすると、再度アラートが表示されます(下図)。
ここで[更新]をクリックすると、CSの文字組みに変更されてしまいますので、[テキストオブジェクトをコピー]をクリックします。
するとテキストは上図のような状態になります。新しく「レガシーテキスト」というレイヤーが作成され、Illustrator 10での文字組みは背景にグレーのテキストとして表示されます。このままでは、かなり文字組みが変わってしまっていますので、フレームを選択し、[文字]メニューから[エリア内文字オプション]を選択します(下図)。
[オフセット]の[1列目のベースライン]が「レガシー」になっていますので、これを「仮想ボディの高さ」に変更します。
テキストの上下位置が元のテキストに近づきました(上図)。
さらに[文字設定]パレットのカーニングを「自動」から「0」に変更します(上図)。
すると完全とはいかないまでも、元のテキストに近い状態を再現できました。あとは必要に応じて「レガシーテキスト」のレイヤーを削除すればOKです。ぜひ1度試してみて下さい。