2020年6月16日、InDesign 15.1のアップデータが配布され、新しく「レビュー用に共有」という機能が追加されました。また、アプリケーションのアイコンも新しいものに変更されました(下図)。
15.1では、アプリケーションバーの右上に[共有]ボタンが追加されており、このボタンをクリックすると[PDF形式でクイック書き出し][パッケージ][レビュー用に共有][Publish Online][書き出し]といった項目が確認できますが、[レビュー用に共有]が新しい機能です(下図)。他の機能は以前から別の場所にも搭載されていた機能です。
[レビュー用に共有]を選択すると、まず[タイトル]を入力する画面に移りますので、任意のタイトルを入力し、[作成]ボタンをクリックします(下図)。
次に[公開範囲]を選択します。[招待のみ]と[公開]のいずれかを選択できます(下図)。デフォルトでは[招待のみ]が選択されていますが、[公開]を選択すると[パスワードを要求]ボタンが表示され、クリックすることで任意のパスワードを指定できます。
次に[共有者を追加]を実行します(下図)。
招待する人のメールアドレスを入力し、必要に応じてコメントを入力したら、[招待]ボタンをクリックします(下図)。
招待した人に招待状メールが送信されます(下図)。
招待された人には下図のようなメールが配信されるので、[レビューする]ボタンをクリックします。なお、先程、入力したコメント内容も確認できます。
ブラウザが立ち上がり、レビュー用にInDesignドキュメントが表示されます(下図)。このままブラウザでチェックができるため、InDesignやAcrobatがなくても問題ありません。スマートフォン等からも確認ができるのがメリットです。なお、複数の人でレビューすることもできます。
招待された人は、ブラウザ上でコメントを付けていきます。[ピン留めする]と[シェイプを描く]という2つのツールのいずれかを使用してコメントを付けていきますが、ピンやシェイプのカラーを変更することもできます(下図)。[ピン留めする]は任意の場所に印を付けることができ、[シェイプを描く]は鉛筆ツールのようなものだと思うと分かりやすいでしょう。ただし、現時点では、ピン留めをしてコメントを付けたり、シェイプを描いてコメントを付けたりといったことしかできません。Acrobatのように、テキストを選択して注釈を付けられると、なお良いのですが......。今後に期待しましょう。
では、実際にコメントを付けてみましょう。まず、[シェイプを描く]ツールで目的の箇所を囲み、コメントを付けてみました(下図)。
このまま[送信]ボタンをクリックすれば、実際にコメントが付きますが、特定の人にメンションを送りたい時には、[ユーザーをメンションする]ボタンをクリックして、表示されたメンバーにメンションを送ることもできます(下図)。なお、Adobe IDでログインしていない方は、この後に名前を入力する画面も表示されます。
※この例では他のメンバーが一人しか表示されていませんが、メンバーが複数人いる場合には、すべてのメンバーが表示されます。
今度は、[ピン留めする]ツールを使ってみましょう。任意の場所をクリックするとピンが表示されるので、コメントを付け[送信]ボタンをクリックします(下図)。
これで2つのコメントを付けることができました(下図)。
※スクリーンショットを取る関係で、コメントの順序(タイムスタンプ)が逆になっていますが気にしないでください。
コメントを付けると、メンバーのCCデスクトップアプリには通知が表示されます(下図)。
また、コメントが付いたことを知らせるメールも届きます(下図)。
ドキュメントの制作者は目的のファイルを開き、[ウィンドウ]メニューから[コメント]→[レビュー]を実行します(下図)。
[レビュー]パネルが表示され、先程、ブラウザでコメントを付けた方と同じコメント内容を確認できます(下図)。
各コメントをクリックすると、そのコメントを付けた箇所がハイライトされるので(プレビューモードではハイライトされません)、目的に応じて修正します。[返信]ボタンをクリックすれば、返信することもできます。修正を終えたら[…]ボタンをクリックして[解決]を選択します(下図)。
同様の手順ですべて[解決]すれば、コメントはなくなります(下図)。
もちろん、コメントを付けた方のブラウザからもコメントはなくなります(下図)。
このように、非常に便利な機能なので、ぜひ活用してください。
なお、こちらのAdobeのユーザーガイドも参考にしてください。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/using/online-review.html