インライングラフィックはマウスでドラッグ(または変形パレットで数値入力)することにより、位置を調整することができます(下図参照)。
しかし、グラフィックをドラッグしたとたん、行全体が下に移動してしまいます。また、この動き方も「行送り」や「文字揃え」に何を選択しているかで、挙動が異なります。今回はインライングラフィックの動きについて見ていきたいと思います。
インライングラフィックの動き
インライングラフィックを行内に挿入すると、グラフィックは仮想ボディの下(横組みの場合)に揃います(下図参照)。
上図では、フレームグリッドの級数を12Q、行送りを「自動」に設定し、2mm×2mmのグラフィックを配置しています。
まずグラフィックの高さの計算は、仮想ボディの下からグラフィックの上辺までの高さが使用されます(下図参照)。
行送りが「自動」の場合、ドラッグできる範囲は、
グラフィックの底辺が仮想ボディの上まで、
グラフィックの上辺が仮想ボディの下までです(下図参照)。
従って、グラフィックを上にドラッグすると、グラフィックの高さが変わることにります。つまり、行全体の高さも変わるということです(下にドラッグした場合、グラフィックの高さは、仮想ボディの下からグラフィックの上辺までの値となるため「0」になり、行全体の高さは変わらないということになります)。
つまり、グラフィックが行内の一番高い位置にある場合、「行の高さ」は、仮想ボディの底辺からグラフィックの上辺までになります(下図参照)。(インライングラフィックの基準点は「仮想ボディの下」ですから、分かりやすくするために図では、[文字揃え]を[仮想ボディの下]に設定してあります。[文字揃え]については、後ほど説明いたします。)
※サンプルでは、級数が12Q、グラフィックが2mmなので、「行の高さ」の最高値は5mmになります。
行送りとインライングラフィック
行送りが「自動」の場合、下図のようにグラフィックの底辺は「仮想ボディの上」(青い線)までしか移動できません。
※行送りが「自動」場合は、文字パレットに( )付きの値で表示されます。
なお、( )内の数値は、[ジャスティフィケーション]の「自動行送り」の設定で決まります。
しかし、行送りが「固定」である場合は移動できる距離が異なります。
上図はそれぞれ行送りを「20H」と「18H」に設定したものです。移動できる距離が違うのがわかります。
文字揃えとインライングラフィックによる行の高さについて
インライングラフィックのドラッグによって「行の高さ」が変わった場合、グラフィック以外の文字はその「行の高さ」内で仮想ボディの上、中央、下、などに揃います。
[文字揃え]を「仮想ボディの上」にして、グラフィックを上下にドラッグしてみてください。「行の高さ」は変わりますが、他の文字は常にグラフィックの上に揃います(下図参照)。
※「行の高さ」とは、仮想ボディの下からグラフィックの上辺までで、最大の「行の高さ」は、「グラフィックの高さ」+「文字の高さ」になります。
[文字揃え]を「仮想ボディの下」に設定すると、他の文字は「行の高さ」の下に揃います(下図参照)。
[文字揃え]が「中央」の場合は、他の文字は「行の高さ」の中央に配置されます(下図参照)。
なお、[文字揃え]が「中央」で行送り「自動」の場合に、[グリッド揃え]を「中央」「仮想ボディの上」「仮想ボディの下」に設定した場合に、どうなるかも併せてご覧下さい。