InDesignの[段落]パレットには[連数字処理]という項目があり(下図参照)、デフォルトではオンになっています。これはどういった働きをするのか見てみましょう。
これは0~9までの全角数字と漢数字、「十百千万億兆」などが繋がった連数字として行別れしないようにするための機能です。まずは下図をご覧下さい。
上左図が[連数字処理]がオフのもの、上右図が[連数字処理]がオンのものです。[連数字処理]をオンにすると、数字部分が分離禁止になるのがわかると思います。ところが[連数字処理]を使用しても、組版結果が思い通りにならない事があるのです。まずは下図をご覧下さい。
上の図は、どちらも[連数字処理]がオンなのですが、なぜか「〇(ゼロ)」を使用した場合には[連数字処理]がきいていません。どうやら漢数字の「〇(ゼロ)」には連数字処理が適用されないようです。漢数字の「〇(ゼロ)」を使用する場合には注意して下さい。次に別の例を見てみましょう。
上図はなぜか「万一」の所が分離禁止になってしまっています。これは[連数字処理]がオンになっているためなのですが、数字ではない「万一」という文字が連数字として認識されてしまっているのです。このように名前や地名など数字ではないが、文字に漢数字を使用している場合にも注意が必要です。もうひとつ別の例を見てみましょう。
上左図が[連数字処理]がオフのもの、上右図が[連数字処理]がオンのものです。赤枠の部分を見比べるとわかるのですが、中黒の上下のアキが違っています。なぜ中黒の部分の文字間隔がつまるのか悩んだ方も多いと思います(私もそうでした)。これも[連数字処理]がオンになっているからです([文字組み]が「なし」の場合は上右図のようには、なりません)。
このように[連数字処理]を使用した場合、どのような振る舞いをするかを理解して使用しないと、思わぬ組版結果になる場合がありますので、ご注意下さい。
(追記 2002.2.7)
ちなみに上記の中黒の前後のアキが詰まる現象ですが、これは縦組みの場合に起こり、横組みの場合には起こりません。横組みの場合だと、全角ピリオド「.」の前後に漢数字がくると詰まってしまいます。
また、上図の例のように中黒の前後ではなく、中黒の前だけ、あるいは中黒の後だけに漢数字がくる場合は、その漢数字と中黒の間だけが詰まります。