InDesign CS5までのEPUB書き出しでは、段落スタイルは「p要素」、文字スタイルは「span要素」として書き出しがなされていました。そのため、スタイル名に日本語を使用していると日本語部分が削除され、異なる複数のスタイルが同じスタイルとして書き出されてしまいました(下図参照)。
上図の例では、3つの段落スタイルすべての日本語名部分が削除されて、同じ「p.x-」として書き出されています。そのため、あらかじめスタイル名を欧文にするなどして、対処する必要があったわけです。InDesign CS5.5では、スタイル名に日本語を使用していても、各スタイルに対してタグやクラスを指定してEPUB書き出しが可能となりました。
[段落スタイルの編集]ダイアログや[文字スタイルの編集]ダイアログを表示させると、新しく[タグを書き出し]という項目が追加され、「タグ」と「クラス」の指定が可能になったのがわかります(下図)。なお、タグはポップアップメニューから目的のものを選択してもかまいませんし、直接、目的のタグを入力してもかまいません。どのように書き出されるかは[書き出しの詳細]欄で確認できます。ちなみに、クラス属性が不要な場合には「クラス」に何も入力しなければ書き出されません。
段落スタイルや文字スタイルの数が多い場合、タグやクラスの指定をスタイルごとにしていては手間がかかってしまいます。そのような場合には、スタイルパネルのオプションメニューから[すべての書き出しタグを編集]を実行しましょう(下図)。
[すべての書き出しタグを編集]ダイアログが表示されます。ドキュメントで作成したスタイルがすべて表示されているはずですので、一気にタグやクラスの指定が可能となります(下図)。
あとは[EPUB書き出しオプション]ダイアログで、[CSSの生成]と[スタイル定義を含む]にチェックを入れてEPUB書き出しを実行すればOKです(下図)。
アドビシステムズのサイト内でもInDesign CS5.5から書き出すEPUBについての連載をさせていただいております。「第3回/スタイルをマップしてタグを書き出し」の記事内でも、[アーティクル]パネルの機能を取り上げていますので、良かったらこちらも参照してください。アドビの連載記事では、サンプルファイルのダウンロードもできるようになっています。