No.26 Adobe Digital Publishing Suite その3

ドキュメントの作成

issueファイルを作成するためには、InDesignでベースとなるドキュメントを作成しておく必要があります。新規で作成するケースと既存の印刷物用のドキュメントを流用するケースが考えられます。新規で作成する場合には、[新規ドキュメント]ダイアログで[ドキュメントプロファイル]を「Web」にし、[ページサイズ]には最終ターゲットのデバイスに合わせたサイズを指定します。iPadであれば「1024×768」pixelとなります。また[見開きページ]はオフに、[裁ち落とし]も必要ないので「0」pixelにしておくとよいでしょう(下図参照)。
※既存のドキュメントを流用するケースについては、後述します。



ドキュメント作成に関しては、印刷物を作成する時の作業と基本的には変わりません。しいて言えば、カラーモードをRGBで進めること、さらには縦と横の2つのレイアウトを作成しなければならないといったことぐらいです(縦あるいは横のみのデジタルマガジンの場合には、いずれかの方向のドキュメントのみを作成すればOKです)。

Interactive Overlay Creatorを使用してSWFファイルを書き出す

ベースとなるInDesignドキュメントを作成したら、インタラクティブな機能を追加していきます。まず、ここではInteractive Overlay Creatorを使用して以下の6つの機能を設定してみましょう。なお、ここでは触れませんがビデオやオーディオといったインタラクティブな元データはあらかじめ用意しておく必要があります。

  • 360 Viewer
  • Audio
  • Image Pan
  • Panorama
  • Video
  • Web View

まず、Interactive Overlay Creatorを起動します(下図参照)。



左側のリストから設定したい機能を選択し、作業を進めてきます。各機能の元となる素材データを読み込んだら(中間ファイルである)SWFファイルを書き出し、InDesignに配置するといった流れになります。では、各機能を順に見ていきましょう。

360 Viewer
360 Viewerは、オブジェクトを360度回転させて表示させることのできる機能で、商品の全体を見せたいような場合に便利な機能です。少しずつ角度を変えた複数の画像を用意しておきますが、数が多いほど滑らかな表示が可能となります。
まず、左側のリストから「360 Viewer」を選択し、右上の「Browse」ボタンをクリックして、元の素材データが置かれているフォルダを選択して読み込みます。すると、[Assets]に指定したフォルダ内の画像がすべて読み込まれます。ここでは、12°ずつ角度を変えた30枚の画像を読み込ませました(下図参照)。
※選択するフォルダは「OverlayResources」フォルダ内のサブフォルダになります。



なお、「OverlayResources」フォルダのサブフォルに用意しておく素材の画像は、共通の基本名と度数の接尾辞を連番でふっておく必要があります。ここでは「OverlayResources」フォルダ直下に「360」というフォルダを作成し、そのフォルダ内に30枚の画像を用意しておきました。

次に目的に応じて各項目を設定していきます。項目はすべて英語ですが、簡単な英語ですので意味を検索するなどして設定してみてください(詳細はユーザガイドにも記述されています)。例えば、[Auto Start]にチェックを入れればページが表示されるとともに自動的に再生(オブジェクトが回転)され、[Loop]にチェックを入れれば連続再生されます。なお、[Width]と[Height]は画像サイズに合わせて自動的に設定されますが、手動で入力することも可能です。

各項目の設定が終わったら[Export]ボタンをクリックします。[Select destination SWF]ダイアログが表示されるので(下図)、名前と場所を指定して[保存]ボタンをクリックすると、指定した場所にSWFファイルが書き出されます。なお、書き出されたSWFファイルは、InDesignの「Links」フォルダに移動しておきます。



なお、正常に書き出されると下図のようなダイアログが表示されます。



Audio
Audioは音声を再生できる機能で、MP3形式のファイルを使用できます。
ここでは「OverlayResources」フォルダ直下に「Audio」というフォルダを作成し、読み込んでいます。



なお、コントローラースキンを使用して、再生ボタンと一時停止ボタンをオーディオクリップ再生中に表示することも可能です。上図では、MP3ファイルと同じフォルダ内にコントローラースキン用のpngファイルを置いています。png画像のファイル名には、それぞれの用途を示す「_pause」「_play」「_proxy」などの接尾辞を付ける必要があります(「_play」ボタンと「_pause」ボタンについては、ステータスバーに進行状況を表示するための番号付きファイルを用意します)。
各項目の設定が完了したら、[Export]ボタンをクリックしてSWFファイルを書き出します。なお、書き出されたSWFファイルは、InDesignの「Links」フォルダに移動しておきます。

Image Pan
Image Panでは、小さい領域に大きな画像を表示できます。例えば、限られたサイズのウィンドウに大きな画像を配置すると、表示されずに隠れてしまう部分が生じます。しかし、画像を指でスライドすることで、隠れている部分を表示させたり、拡大・縮小させて表示させることが可能になります。
ここでは「OverlayResources」フォルダ直下に「Pan」というフォルダを作成し、読み込んでいます。



[Width]と[Height]は画像のサイズに合わせて自動的に入力されますが、実際には表示させるウィンドウ(ビュー領域)のサイズを指定しなければならないので、直接入力してサイズを変更します。また、ページを表示させた際に、画像のどの部分を表示させるかを[Viewport Offset]の「X」と「Y」で指定しておくことができます。[Zoom Percentage]では、画像の表示倍率も設定できます。
各項目の設定が完了したら、[Export]ボタンをクリックしてSWFファイルを書き出します。なお、書き出されたSWFファイルは、InDesignの「Links」フォルダに移動しておきます。

Panorama
Panoramaでは、空間内から外を見ているかのような視覚効果が得られます。ユーザーは、操作パネルを使ってビューを360°回転したりズームインしたりできます。設定するためには、立方体の6面を内側から見た様子に相当する6枚の画像が必要となります。完全なパノラマ画像(正距円筒図法画像または360°パノラマと呼ばれる)を基にする場合には、十字画像から6枚の立方体画像を作成する必要があります(水平十字画像を基にする場合は、Photoshop または何らかの画面キャプチャユーティリティを使用して、必要な6枚の画像を作成します)。
ここでは「OverlayResources」フォルダ直下に「Panorama」というフォルダを作成し、読み込んでいます。



[Assets]には6枚の画像が読み込まれまれるので、[Width]と[Height]を指定します。必要に応じて各項目を設定し、[Export]ボタンをクリックしてSWFファイルを書き出します。なお、書き出されたSWFファイルは、InDesignの「Links」フォルダに移動しておきます。

Video
Videoは映像を再生できる機能です。Apple iTunes互換のh.264でエンコードされたMP4形式のファイルが使用できます。
ここでは「OverlayResources」フォルダ直下に「Video」というフォルダを作成し、そのフォルダ内のMP4ファイルを読み込んでいます。



MP4ファイルが読み込まれたら、[Width]と[Height]を指定します。なお、[Play Full Screen]にチェックを入れると、フルスクリーンモードで再生されます(フルスクリーンで再生する場合、ビデオの横幅は1024pixelに設定します)。また、[Auto Start]にチェックを入れると、ページの読み込みと同時(または、指定した遅延時間の経過後)に再生が始まります。
各項目を設定したら、[Export]ボタンをクリックしてSWFファイルを書き出します。なお、書き出されたSWFファイルは、InDesignの「Links」フォルダに移動しておきます。

Web View
ブラウザを使用せずにビュー領域内にWebサイトを表示させる機能です。



コンテンツとして、URLまたはローカルHTMLファイルを指定できます。URLを指定する場合は[URL]に直接アドレスを入力すればOKですが、ローカルHTMLファイルを指定する場合には、目的の.html ファイルおよび関連するフォルダを「OverlayResources」フォルダ内にサブフォルダを作成し、用意しておく必要があります。このサブフォルダに用意したすべてのファイル(画像やスクリプトも含む)を、書き出すissueファイルに含めることができます。.html ファイル内には、このサブフォルダーにあるファイルへの相対リンクを作成します。
[Width]や[Height]など、各項目を設定したら、[Export]ボタンをクリックしてSWFファイルを書き出します。なお、書き出されたSWFファイルは、InDesignの「Links」フォルダに移動しておきます。

※なお、現段階で記述している内容は、あくまでも2010年10月25日にリリースされたベータ版のものとなっています。仕様変更等により、ここで記述した内容と異なる場合がありますのでご注意ください。


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