InDesign CS5では、テキストの変更履歴をトラックする機能が追加されています。この機能がオンになっていると、テキストに加えられた変更をユーザー別にトラックし、ストーリーエディターに表示することが可能となります(レイアウトビューでは表示できません)。テキストの削除、移動、挿入などの変更がサポートされています。
※InDesign CS4までのバージョンでも、ドキュメント内のテキストの変更はトラックされていましたが、どのような変更があったかを表示させることはできませんでした。ユーザーは、InCopy内でトラックされたテキストを見ることができ、その変更を許可するか、拒否するかを選択できました。
ここでは、下図のようなテキストを用意し、テキストを修正してみたいと思います。まず、テキストフレーム内にカーソルをおき、[変更をトラック]パネルのパネルメニューから[現在のストーリー内の変更をトラック]を選択してオンにします(下図)。なお、現在のテキストフレーム内のストーリーだけでなく、ドキュメントすべてのテキストの変更をトラックしたい場合には、パネルメニューから[全ストーリーでトラックを有効にする]を選択します。
※[変更をトラック]パネルは、[ウィンドウ]メニューの[編集関連]から表示できます。
※[全ストーリーでトラックを有効にする]は、ドキュメント内にテキストフレームが2つ以上ないと選択できません。
パネルメニューからではなく、[変更をトラック]パネルの一番左上のアイコンをクリックしてもかまいません(下図)。
実際にテキストを修正してみます。「あいうえお」の「うえお」を「かきくけこ」と修正しました(下図)。
では、ストーリーエディターを表示させてみましょう(下図)。
ショートカットは【command(Winはctrl)+Y】です。
打ち直したことで削除されてしまった文字列「うえお」が取り消し線付きで表示されているのが分かります。
文字ツールで文字列「うえお」を選択し、[変更をトラック]パネルを見てみると、削除されたテキストで誰がいつ、削除したのかが分かります。では、この状態から[変更を取り消し]アイコンをクリックしてみましょう(下図)。
※パネルメニューから実行することも可能です。
文字列「うえお」の削除が取り消され、復活したのが分かります(下図)。
このようにテキストに加えた変更を取り消したり、取り消した変更を再適用したりといったことが可能となります。他にも[変更を適用][ストーリーに対するすべての変更を適用][ストーリーに対するすべての変更を取り消し]など、目的に応じて実行します(下図)。
なお、追加されたテキスト、削除されたテキスト、移動されたテキストをそれぞれどのように表示させるかは、環境設定の[変更をトラック]から設定します(下図)。