下図のような画像を4つ用意します。ファイル名には、漢数字・丸数字・ローマ数字・全角数字の「1」をそれぞれ使用しています。
これらの画像をInDesign CS(3.0)に配置します。[リンク]パレットを見ると下図のようになっており、丸数字の1がきちんと認識されていないのがわかります。
試しにパッケージを実行すると、収集される画像は以下のようになり、丸数字を使用した画像が全角の1を使用した画像を上書きしてしまっています。
では、InDesign CS2(4.0)に配置した場合はどうでしょうか。[リンク]パレットを見てみると、正確にファイル名を認識しているのがわかります(下図)。パッケージでも問題はありませんでした。
これは、InDesignはリンク画像に対して、ユニコードの正規化を行っており、InDesign CSとInDesign CS2でユニコードの正規化形式が変わったからだそうです(Unicode Standard Annex 15では、4種類の正規化形式を規定しています)。
※ユニコードの正規化については以下のサイトを参照して下さい。
http://homepage1.nifty.com/nomenclator/unicode/normalization.html
実は、この現象に関する問題が、DTPエキスパート認証試験24期更新試験で出されました。詳細は以下のURLを見ていただくとして、ファイル名によっては正確に認識されないケースがあることを覚えておくとよいかと思います。また、ロングファイルネームの問題についても、以下のURLを参考にされるとよいでしょう。
http://dtpwiki.jp/?InDesign%20CS
(補足)
なお、上記ファイル名の画像を配置したInDesign CSドキュメントをInDesign CS2で開いた場合には、InDesign CS同様、ファイル名が正確に認識されませんので注意して下さい。