InCopy CS2のテキストエンジンはInDesign CS2と同じなので、テキスト編集の基本的な操作はInDesignと変わりません。しかし、編集者やライター向けに作成されたアプリケーションなので、InDesignにない機能もいくつか搭載されています。今回は、それらの機能のいくつかをご紹介したいと思います。
コピーフィット
InCopyではコピーフィット情報が、(デフォルト設定では)一番下のバーに表示されます(下図)。
このパレットでは、全角と半角の文字数や、そのテキストフレームに対してのテキスト量を表示します。まだテキストが入るスペースがある場合には青紫、ちょうどよい場合には緑、あふれている場合には赤で表示されるので、ひとめ見ただけでテキスト量が把握できるようになっています。さらに詳細な情報を表示するようカスタマイズすることもできます。
テキストマクロ
よく使用する語句を登録しておくことで、素速い入力を可能にする機能です。[ウィンドウ]メニューから[テキストマクロ]を選択すると、[テキストマクロ]パレットが表示されます(下図)。
パレットメニューから[新規マクロ]を選択、あるいは[新規マクロ]ボタンをクリックします(下図)。
すると、[新規マクロ]ダイアログが表示されます(下図)。
[マクロコード]と[マクロ文字列]を入力します(下図)。なお、[マクロショートカットキー]を入力しておけば、ショートカットキーを押すだけでテキストが入力できます
「OK」ボタンをクリックすると、[テキストマクロ]パレットに登録されます(下図)。
あとは、テキスト(マクロコード)を入力後、語末を表す文字「スペース、コンマ、ピリオド、改行等」を入力すれば変換されます。ただし、[言語]に欧文言語が選択されている必要があります。
基本的にこの機能は欧文向けのものですが、和文でも活用することができます。まず、下図のように[新規マクロ]を登録します。
「かぶ」とテキストを入力した後に、F6キーを押すと「株式会社」に変換されます。
ストーリー分離バー
ストーリーが複数ある場合、ストーリー分離バーの△アイコン(赤丸部分)をクリックすることで、各ストーリーごとに内容の表示・非表示が切り替えられます(下図)。
変更のトラック
ゲラビューまたはストーリービューでは、[変更のトラック]ツールバーを使用して、各ライターが行った変更をトラックし、変更箇所の表示、非表示、ナビゲーションや変更の許可、却下が可能です(下図)。
例えば、[変更のトラックを有効にする]をオンにしてテキスト修正を行うと、打ち消し線が表示され、どのように変更したかがハイライト示されます(下図)。
なお、[変更を適用]あるいは[すべての変更を適用]ボタンをクリックして実行すると、ハイライト表示が消え、打ち消し線が引かれていたテキストも消えます。
(補足)
InDesignでレイヤーを分けて作業したドキュメントでは、InCopy側でもレイヤーの表示・非表示の切り替えが可能です。ただし、InCopy側で新規にレイヤーを作成することはできません。