2018年3月13日にダウンロードが開始されたCC 2018(13.1)のアップデータですが、[段落の囲み罫と背景色]の機能向上や[個別のPDFファイルを作成]以外にも、いくつかの機能が追加されています。
キーボードショートカット
キーボードショートカットの[セット]に[Adobe Illustratorショートカット]と[Adobe Photoshopショートカット]が追加されました(下図)。これにより、InDesignのショートカットをIllustratorやPhotoshopのショートカットを合わせることが可能になります。もちろん、搭載されている機能が異なるため、完全に一致というわけではありません。
Publish Onlineのアクセス解析強化
InDesignドキュメントを[Publish Online]の機能を使用してオンラインで公開した場合に、ドキュメントのより詳細なアクセス解析が可能となりました。アクセス解析するためには、[ファイル]メニューから[Publish Onlineダッシュボード]を選択します(下図)。
オンラインで公開したドキュメントの一覧がブラウザで表示されるので、[概要]をクリックすると、アクセス解析の詳細が表示されます(下図)。
- 閲覧数(VIES):閲覧された回数
- 閲覧者数(READERS):閲覧者の数
- 平均閲覧時間(AVG. READ TIME):ドキュメントでユーザーが1回の閲覧に費やした平均時間
- 合計閲覧時間(TOTAL READ TIME):ドキュメントをアクティブに表示し、費やしたすべてのユーザーの合計時間
- デバイスでの閲覧数(VIEWS ON DEVICES):デスクトップ、タブレット、モバイルデバイスでの表示割合
文末脚注のエクスポートと編集
CC 2018(13.0)でInDesignに追加された文末脚注の機能が、CC 2018(13.1)ではInCopyでも文末脚注が作成できるようになり、文末脚注の読み込み、編集、チェックインが可能です。これにより、InDesignとInCopyの間でテキストフレームと文末脚注をシームレスにやり取りできるようになります。
また、文末脚注をicmaおよびicml形式で書き出すこともできます。icma形式として書き出すと、文末脚注と文末脚注のあるすべてのストーリーが一緒にアサインファイルとして書き出されます。icml形式として書き出すと、ストーリーに含まれる文末脚注のみが書き出されます。
カラーを16進数で入力可能に
これまで、[カラーピッカー]ダイアログでのみ使用可能だった16進数の編集フィールドですが、CC 2018(13.1)からは[カラー]パネルでも16進数の編集フィールドが使用できるようになりました。
相互参照のUIの機能強化
段落スタイルが適用された任意の段落から相互参照を作成する際、表示された段落の中から特定の段落を検索する必要があります。しかし、表示されるリストの数が多い場合には見つけにくいのが現状でした。CC 2018(13.1)では「検索バー」が搭載され、段落一覧の中から特定の段落を検索することができるようになりました。以下の検索方法が可能です。
- 先頭から検索:段落の先頭のテキストが一致するものを検索します。
- 全体を検索:段落内の一部のテキストが一致するものを検索します。
IDMLを開く際にファイル名を保持
これまで、IDMLファイルを開くと新しい「名称未設定」のドキュメントとして表示されていましたが、CC 2018(13.1)ではIDMLファイルの名前で開くよう改善されました。
バグフィックス
今回のアップデート(13.1)では、多くのバグフィックスも行われているそうです。
- ファイル名にスラッシュ「/」が含まれるPNGまたはJPEGへの書き出しに失敗する。
- [ページ]パネルにスクロールバーがない。
- InDesign - InCopyのワークフローにおける文末脚注のバグ。
- ドキュメントからいくつかのページが削除される場合に、レイヤー内でのページアイテムの順序が保持されない。
- [段落の囲み罫と背景色]ダイアログのフィールドが狭すぎる。
- 変形された透明効果があると、PDFへの書き出し中に失敗する。
- [Windowsのみ]全角文字のユーザー名を持つシステムによってドキュメントが公開される場合、250文字未満のテキストフレームがPublish Onlineに書き出されない。
- [変形]パネルの基準点アイコンが途切れている。
なお、CC 2018(13.1)で改善されたバグに関しては、こちらも参照してください。
https://helpx.adobe.com/jp/indesign/release-note/indesign-cc-march-2018-13-1-japanese-release-notes.html