InDesign CSでは、Study Room CS No.9でも記述したように、フレームグリッドの挙動が大きく改善されました。1歯詰めが改善されただけでなく、見出しなどのように、フレームグリッドの文字サイズより大きなサイズを使用した場合の動きも2.0とは異なっています。
まず、下図のようなテキストを用意しました。
2.0では見出し部分のテキストの級数を大きくすると、自動的に2行取り(またはそれ以上)になりました。しかしCSでは、文字サイズを大きくしても2行取りにはなりません(下図)。
ですが、文字サイズを大きくしても、必ずしも1行のままというわけではありません。下図のように文字サイズによっては、2行取りになるのです。
どういった場合に2行取りになるかというと、上図の「A」よりも大きなサイズになると2行取りになります。たとえば、13Q20H送りの場合ですと、
20H+(20H−13Q)=27
で27級を超えた場合に2行取りがなされるわけです。
ただし、これは[グリッド揃え]が[仮想ボディの中央]になっている場合の話です。[グリッド揃え]に他のものを選択している場合には、「A」の値は異なります。
上図は[グリッド揃え]に[仮想ボディの上]を選択した状態です。この場合の「A」は図のようになります。行送りが20Hなら、20級を超えた場合に2行取りになります。このように[グリッド揃え]に何を選択しているかで、2行取りになる見出しサイズは変わるわけです。
Study Room 2.0J No.64でも記述しましたが、フレームグリッドには目に見えない中央基準点というものがあります。文字サイズを大きくしていった場合、見出しの次の行が現在の中央基準点に揃えられなくなり(または、見出し自身が現在の中央基準点に揃えられなくなり)、次の行に送られるのです。そのため、見出しが2行取りされたように文字組みされるというわけです。
(注意点)
ある程度の文字サイズまでは、2行取りされないと記述しましたが、見出しがフレームグリッドの先頭行にある場合は動きが異なります。
上図は[グリッド揃え]に[仮想ボディの中央]を選択しているのですが、通常2行取りされないサイズの見出しであっても、先頭行にきた場合にのみ、2行取りになります([グリッド揃え]が[仮想ボディの上]の場合には、2行取りになりません)。これはテキストがフレームグリッドをはみ出すことができないからです。そのため、[グリッド揃え]に何を選択しているかで、先頭行の見出しの動きは変わりますので注意して下さい。
(追記 2004.2.7)
上で「テキストはフレームグリッドをはみ出すことができない」と記述しましたが、正確にはちょっと違います。[グリッド揃え]とは「テキスト行の中央」と「グリッド行の中央」とを揃える機能です。行の中央を揃えたいところ(この場合、グリッドの第一行の中央)より上にしないと揃わない仕様になっています。そのため[テキストフレームオプション]の[先頭ベースライン位置]の[オフセット]でベースライン位置を調整して、テキスト行の中央を変更してあげれば、はみ出して組むことも可能です。