透明という機能は、透明パレットから不透明度を設定したものだけでなく、InDesignであれば「ドロップシャドー」や「境界をぼかす」、Illustratorではあれば、「シンボル」や「グラフィックスタイルの一部」「効果メニューの一部(ベクトルオブジェクトへのみ効果が適用できるメニュー)」「SVGフィルタ」「スタイライズ(ぼかし、ドロップシャドウ、光彩外)、光彩(内)」「ぼかし」「ピクセレート(サブメニュー全て)」「シャープ」なども透明として認識されます。
「透明」という機能は、その情報をそのままPostScriptプリンタに送っても、プリントすることができません。これは、PostScriptには透明という概念がないからです。そのため、アプリケーション側で透明部分を「分割」し、その情報をプリンタに送ることでプリントを実現しています。
※「不透明度50%」を適用したC100のオブシェクトは、C50のオブジェクトとして分割されるということです。
例えば、C100とM100のオブジェクトに不透明度50%を適用したもの(上図)は、下図のように3つのオブジェクトに分割されます(わかりやすいようにオブジェクトをずらしています)。
ではテキストはどうなるかというと、透明の影響を受けるテキストはアウトライン化されます。例えば、下図のようにテキストの上に不透明度50%を適用したC100のオブジェクトを重ねます。
これを[分割・統合]パレットで確認すると、テキスト部分が影響を受けるのがわかります。
しかし、この状態でPSプリンタ等からプリントすると、テキストがアウトライン化されてプリントされるために、他のアウトライン化されないテキストと比べると、若干太ってプリントされることになります(高解像度で出力するイメージセッタやCTPでは問題ありません)。
そういった場合には、[透明の分割・統合設定]で「すべてのテキストをアウトラインに変換」にチェックを入れた設定を使用してプリントすることで、透明の影響を受けないテキスト部分もすべてアウトライン化されてプリントされます。テキストによって太ったり、太らなかったり、といったアンバランスを解消することができます。
※この項目にチェックを入れたからといって、実際のテキストがアウトライン化されるわけではありません。
次に、上図のようにテキスト部分がドロップシャドーの影響を受けるケースを見ていきたいと思います。このケースでは、テキストはドロップシャドーを適用したオブジェクトよりも背面にあります。
[分割・統合]パレットで確認すると、1行目のテキストが影響を受けることがわかります。しかし、テキストをドロップシャドーを適用したオブジェクトよりも前面にもってくると、
テキストは、上図のように透明の影響を受けないことが分かります。このようにオブジェクトの前後関係によっても、透明の影響を受けるか、受けないかが変わります。
なお、透明に関する詳しい内容は、Adobeのサイトから「透明の手引き」や「出力の手引き」をダウンロードして参考にして下さい。
http://www.adobe.com/jp/print/printproinfo.html