InDesign CS2から3行取り2行見出しなどの、複数行取りの複数行見出しが可能となりました。以下に手順を示します。
まず見出しにしたい部分を、文字ツールで選択します(下図)。
次に段落パレットの[行取り]を「3」に設定します(下図)。
段落パレットのサブメニューから[段落行取り]を選択してオンにします(下図)。
これで出来上がりです(下図)。これまでに比べると、かなり楽に作成できるようになりました。
しかし、問題なのは強制改行(shift+return)を行なった場合です。下図のように1行余分に空いてしまいます。正直、これはかなり残念な仕様(?)です。
強制改行を使用する場合は、[行取り]を1行分少なく設定し、ベースラインシフトで移動するなどするしかないかもしれません。
(追記 2005.7.20)
この[段落行取り]の機能を使用すると、おかしな挙動をする場合があります。まず下図を見て下さい。
この図は、2つのフレームグリッドを連結し、テキストを流し込んだものです。[段落行取り]を使用して、3行取り2行見出しを作成しましたが、特に問題はありません。しかし、左側のフレームグリッドのサイズを変更してみます(下図)。
すると、見出しと本文の間に余分な空白行ができてしまいます。フレームグリッドのサイズをどれぐらい変更するかによって、この空白行ができる場合もあれば、なくなる場合もあります。現段階では、この[段落行取り]という機能は、使用するのを止めておいた方が良いかもしれません。早急なアップデータを望みます。
(追記 2005.10.5)
ここで紹介した段落行取りの不具合は、4.0.1のアップデータで解消されています。ヘルプメニューの[更新]あるいはAdobeのWebサイトからアップデータをダウンロードしてアップデートを行って下さい。
なお、[ジャスティフィケーョン]と[行送り]には注意してください。
例えば上図のようなテキストがあったとします。このテキストの青字部分には「見出し」という段落スタイルが適用してありますが、その前の段落である本文の[ジャスティフィケーョン]を100%より大きな値に設定します(フレームグリッドのデフォルトは100%です)。
すると上図のように、本文と見出しの間に余分な行が1行空いてしまいます。
また、[ジャスティフィケーョン]が100%の場合でも、[行送り]を100%より大きくした場合にも注意して下さい。
上左図がデフォルトの[行送り]の設定ですが、これを100%より大きな値(ここでは13.1H)にしたものです。この場合もやはり1行空いてしまいます。
[段落行取り]の機能はフレームグリッドで使用するものです。そのため、デフォルト設定は[ジャスティフィケーョン]が「100%」、[行送り]は「自動」、つまり文字サイズと同じ値になっています。一般的な使用法では、これらの値を変更する必要性はないので問題はありませんが、何らかの理由により、これらの値を100%より大きな値に設定すると、余分な行の空きができてしまうので注意して下さい。
(追記 2006.1.24)
[段落行取り]の不具合はバージョン4.0.2でも完全に解消されているわけではありません。例えば、下図のようなテキストがあったとします。
このフレームグリッドを1行分大きくします(下図)。
すると見出しの前に1行余分な行が挿入されてしまいます。これではまずいので、【commnd+Z】で取り消しします(下図)。
フレームグリッドの行数は元に戻りましたが、見出しの前の空白行までは元に戻りません。この現象を回避するには、見出しの前の段落の任意のテキストを打ち直します。例えば、「あ」という文字を選択し「あ」と再入力します。
これにより、見出しの前の空白行がなくなり、元の状態に戻ります。