これまでご紹介した新機能やバグフィックス以外にも、いくつか機能のアップデートがありますので、順にご紹介していきます。
SVGのインポート
InDesignドキュメントに、SVG形式およびSVGZ形式の画像の配置が可能となりました(これまでSVGには未対応でした)。
データ結合の機能強化
[データ結合]パネルで[結合ドキュメントを作成]を実行した際に表示される[結合ドキュメントを作成]ダイアログにおいて、[オプション]タブの[サイズ調整]に[既存のものを使用]オプションが追加されました(下図)。これにより、個々のグラフィックフレームの[サイズ調整]オプションを保持した状態でデータ結合が可能になります。なお、区切り文字としてこれまで「タブ」と「カンマ」が使用可能でしたが、InDesign 2020では「セミコロン(;)」もサポートされています。
似た画像を検索
InDesignドキュメント上に配置した画像に似た画像を手軽に検索可能になりました。目的の画像を選択し、右クリックして表示されるメニューから[似た画像を検索]を実行します(下図)。
すると、[CCライブラリ]パネルに、Adobe Stock内の似た画像が表示されます(下図)。なお、これまでも[CCライブラリ]パネル内では類似画像の検索は可能でした。
欧文スペルチェックの強化
[編集]メニューから[欧文スペルチェック]→[欧文スペルチェック]を実行すると、[欧文スペルチェック]ダイアログが表示され、欧文テキストのスペルチェックができます。InDesign 2020では、[検索と置換]ダイアログのように、[順方向]と[逆方向]が追加されています(下図)。
ショートカットキーの強化
キーボードにテンキーがないノートマシン等では、ショートカットキーに数字キーを使用することができませんでした。InDesign 2020では、段落スタイル/文字スタイル/オブジェクトスタイル/表スタイル/セルスタイルに対して、数字キーを使用したショートカットキーの設定が可能になりました。
テキスト関連のパフォーマンスの向上
InDesignのパフォーマンスが向上しています。とくに、テキスト関連の機能がチューニングされており、テキストの入力や作業時に、その効果を実感できます。
また、IllustratorとInDesignのフォントキャッシュが共通化されています。
東南アジア言語のテキストエンジンサポート
日本語組版ではあまり関係ありませんが、新しいテキストエンジン「Harfbuzz」が多言語対応コンポーザーに追加されました。このエンジンは、東南アジア言語(タイ語、ビルマ語、クメール、ラオス語およびシンハラ語)の組版で使用します。
修正済みの問題
多くの問題点も修正されています。どのような問題点が修正されたかは、以下のURLから確認できます(英語です)。
https://helpx.adobe.com/indesign/kb/fixed-issues.html