2025年度版のInDesignには［数式］パネルが登載され、数式組版が可能となりました。［ウィンドウ］メニューから［数式］を選択すると［数式］パネルが表示されます（下図）。
［フォントサイズ］やテキストの［塗り］のカラーを指定して、［MathMLを挿入］をクリックします。すると、［MathMLを編集］ダイアログが表示されるので、［MathMLの入力：］に数式表記を記述します（下図）。
なお、MathMLとは「Mathematical Markup Language」の略で、数式を記述するためのXMLベースのマークアップ言語です。どのように記述するかは、MathML Examples等を参照してください。
※［オブジェクト］メニューから［MathMLを編集］を実行することでも、［MathMLを編集］ダイアログを表示できます。
ダイアログ中央の［>>］をクリックすると、どのような数式になるかが［式のプレビュー：］でプレビューできます（下図）。なお、ズームボタンで表示の拡大／縮小も可能です。
［保存］ボタンをクリックすると、マウスポインタが画像配置アイコンに変化するので、ドキュメント上をクリックして数式を配置します。なお、デフォルトではフレーム枠に0.1mmの黒い線が表示されているので、［線］をなしにします（下図）。
なお、テキストの［塗り］に［黒］を選択している場合でも、［分版プレビュー］パネルの［表示］を［色分解］にすると、数式がリッチブラックになっているのが確認できます（下図）。ちなみに、テキストの［塗り］に他のスウォッチを選択した場合でも、同様に異なる色で数式が生成されます。これは、数式がSVGとして埋め込まれるためです（CMYKをサポートしていません）。
他にも、一部のグリフが表示できないといった問題もあるようです。また、InDesign上で編集もできません。例えば、括線（分子と分母の間の線）をもっと細くしたいと思っても、そのままではできません。そこで、数式をコピーして、Illustratorドキュメント上にペーストします（下図）。
Illustratorにペーストすると、アウトラインオブジェクトととして編集可能になるので編集します。下図では、括線を細くしています。もちろん、カラーも編集することができます（正しいCMYK値にできます）。
このまま使用してもかまいませんが、再度、InDesignドキュメントにペーストして使用することも可能です。
とはいえ、現時点ではガッツリ仕事で使用するのは厳しそうです。
