第43回勉強会

第43回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。セミナー(および懇親会)参加希望の方は、「参加お申し込み」ボタンからお申し込みください。
なお、セミナー終了後にその場で交流会を開催させていただきます。日頃、同業他社の方と話をする機会が少ない方も、ぜひ交流を図って情報交換等をしていただければと思います。

イベント概要

イベント名 第43回勉強会 (終了)
開催日 2017年11月17日 (土)
時間 14:00〜18:30 受付開始:13:30 セミナー本編:14:00〜18:10 交流会:18:10〜18:30
懇親会 開催予定(参加任意)
会場 安保ホール 301号室 〒 450-0002 名古屋市中村区名駅3-15-9(地図
  • JR名古屋駅桜通口から徒歩3分
  • 大名古屋ビルヂング裏側
定員 108名
受講料 3,000円 当日受付支払い
出演者
  • 鳥原 久資
  • 森 裕司
  • 鷹野 雅弘
Twitter(ハッシュタグ) #studyroom043
備考
  • 希望者には領収書を発行できます。
  • このイベントは先着順受付です。

お申し込み

このイベントは、現在、受付を行っていません。

タイムテーブル

14:00〜14:05 ごあいさつ
14:05〜15:15 Session 1 鳥原 久資 (株式会社マルワ) お客様サービスにつながる新たなデザインの独自化 〜情報保障を実現するメディア・ユニバーサルデザインの考え方〜
15:15〜15:30 休憩
15:30〜16:40 Session 2 森 裕司 (InDesignの勉強部屋) 覚えておきたいInDesign時短テクニック
16:40〜16:55 休憩
16:55〜18:05 Session 3 鷹野 雅弘 (株式会社スイッチ) アピアランス道2017 (グループの抜きとグループアピアランスで実現するアピアランスの新境地)
18:05〜18:10 ごあいさつ
18:10〜18:30 交流会

セッション詳細

Session 1

お客様サービスにつながる新たなデザインの独自化 〜情報保障を実現するメディア・ユニバーサルデザインの考え方〜

男性の20人に一人が色弱者、65歳以上の高齢者が人口の4分の1、在留外国人や外国人観光客の数は1500万人という実態をご存知ですか。昨年、障害者差別解消法という法律が施行され、役所や企業が正当な理由なく障害を理由に差別を禁じる法律ができました。
情報保障という言葉があります。情報のバリアフリーとも言われるこの考え方は、情報発信に関わる製作者は、全ての人に平等に情報が行き渡る事を考えて制作に携わる事が求められます。逆に言えばこうした考え方が、お客様サービスにつながり、制作に携わる人の独自化になるという事です。
メディア・ユニバーサルデザインはこれらの問題を解決していく考え方です。細かいテクニックは検定で学びますが、まずは入門編として概念をお話しします。

鳥原 久資とりはら ひさし
  • メディア・ユニバーサルデザイン協会理事
  • 1958年 名古屋市生まれ 
  • 愛知教育大学卒業後、愛知県公立小学校、名古屋市立中学校教諭として8年間勤務
  • 1989年 株式会社丸和印刷(現株式会社マルワ)入社 
  • 1998年 代表取締役社長就任
  • (公職)平成15年度 名古屋商工会議所若鯱会代表幹事
  • (公職)現在 全国印刷工業組合連合会CSR推進委員会副委員長
  • (講演実績)中部経済産業局、名古屋商工会議所、日本規格協会、中小企業大学校東京校、横浜市、中小企業家同友会、税理士会、メーカー他 
  • 中小企業の社員教育 中小企業が進めるCSR 中小企業が進める環境活動
  • 小さな会社のBCP 中小企業が進めるメディア・ユニバーサルデザイン
Session 2

覚えておきたいInDesign時短テクニック

InDesignを操作するうえで「時短」に繋がるさまざまなテクニックをご紹介します。作業を一手間、二手間、減らすテクニック、さらには意外と知られていないTipsまで、時間の許すかぎりご紹介していきます。知っているのと、知らないのとでは作業時間に大きく差がでます。この機会にぜひ覚えておきましょう!

森 裕司もり ゆうじ
Session 3

アピアランス道2017 (グループの抜きとグループアピアランスで実現するアピアランスの新境地)

アピアランスを適用する対象は、パス、テキスト、レイヤーですが、さらに、グループを対象とすると、その可能性が広がります。
また、Illustrator 9.0から実装されていながら、あまり使われていない「グループの抜き」を使うことで、さらにできることが広がります。
デモを中心に、グループの抜きとグループアピアランスについて解説します。

鷹野 雅弘たかの まさひろ
  • グラフィックデザイン、エディトリアルデザイン、Web制作の分野で、デザイン、オペレーション、設計・ディレクションなど、20年以上、第一線で手を動かし続けている。
  • そのノウハウをテクニカルライティングや講演に落とし込み、「制作→執筆→講演」のサイクルを回す。2015年から大阪芸術大学 客員教授
  • テクニカルライターとして30冊以上の著書を持ち、総販売数は17万部を超える。主な著書に『10倍ラクするIllustrator仕事術(増強改訂版)』(共著、技術評論社)など。
  • 2005年からWeb制作者向けのセミナーイベント「CSS Nite」を主宰。都内での開催を中心に日本全国に飛び火し、500回を越える関連イベントを通して、のべ6万名を超える方が参加。
  • 2,000エントリー、年間270万ビューを超えるDTP制作者向けの情報サイトDTP Transit は12年目に突入。

懇親会

会場 伍味酉 名古屋駅前店 〒 450-0002 名古屋市中村区名駅3-18-6 TEL/050-3491-6779
時間 18:30〜
参加費 4,000円
お申し込み方法
  • 勉強会申込時にあわせてお申し込みください。
  • 当日のドタキャンはご遠慮ください。前々日までにキャンセルのご連絡がない場合、料金をいただきます。

お申し込み

このイベントは、現在、受付を行っていません。

第43回勉強会終了報告

Session 1:お客様サービスにつながる新たなデザインの独自化
〜情報保障を実現するメディア・ユニバーサルデザインの考え方〜

スピーカー:鳥原 久資 氏(株式会社マルワ)


自身がメディア・ユニバーサルデザイン協会理事を務める鳥原さんから、どんな人にでも公平に情報伝達ができるデザインについてのお話を伺いました。
「ユニバーサルデザイン」とは「あらゆる体格、能力、年齢、障がいの有無にかかわらず、誰もが利用できる製品・環境・サービスを創造する」という考え方。「ハンディキャップのある人が快適な普通の生活を送ることを可能にしよう」という「バリアフリー」の概念が進化したものであることが最初に説明されました。
日本国内で「分かる・伝わる」情報へのニーズは高まっており、印刷メディアから発信される「情報」もユニバーサルデザインの対象となります。情報は、生活のあらゆる場面で不可欠なものでありながら、現在、色覚障がい者・高齢者・弱視者・肢体不自由者・子ども・外国人…国内の6割近くの方々が、メディアに不便を感じているそうです。
では、具体的に何が不便なのでしょうか。鳥原さんは資料や道具を会場に回覧して、伝える相手によっての見え方の違いや、困っていることを説明されました。中でも色覚障がいの見え方がわかるグラスを通して見たポスターや路線図は、緑から赤の間の色の見分けがほとんどつかず、日常生活での不便さがよく分かるもので、参加者の方々も興味深く体感していました。
また、色に限らず、高齢者は文字が小さくて読みづらい、新しい言葉や外来語がわからない、子どもは漢字が分からず言い回しの難しい文章が理解できない、外国人への外国語での案内体制がないなど、さまざまな立場での困ったことをあげられ、どの立場においても、特に緊急時や危険を伝える際の情報伝達に不安が大きいように感じました。
また、それぞれの不便に対して「伝えたい情報を正確に伝える」「平等に情報を伝える」「必要とされる情報を提供する」「誰もが便利で見やすいメディアを提供する」という情報伝達のユニバーサルデザイン「メディア・ユニバーサルデザイン」を用いた解消方法も同時に示されました。路線図のデザインを全て変更した鉄道会社の事例、協会で制作した避難所シール、自身の会社で企画されたカレンダーやパンフレットなどを見せていただき、どういったやり方で分かりやすく情報を伝えているのかが解説されました。情報を見せたいターゲットにどんな不便があり、その不便な理由・原因は何か?そこを理解した上で、対策を講じているため、具体例での配色やレイアウトの意味がよくわかりました。
そして、ここまで説明いただいたメディア・ユニバーサルデザインのまとめとして、5つの原則を紹介。「1.伝わる(アクセシビリティ)」では情報の入手をさまたげる要因を取り除くことへの工夫、「2.便利(ユーザビリティ)」では無理なく使いやすい工夫、「3.わかりやすい(リテラシー)」では内容が理解しやすくなるための言語、表現、構成による工夫、「4.かっこよさ(デザイン)」では情緒に訴え行動を誘発するデザインによる工夫、「5.やさしさ(サステナビリティ)」では環境にも配慮して製品をつくることをあげられ、ここでもそれぞれの原則が配慮された事例が、併せて解説されました。
最後に、印刷メディアも価格競争で消耗せずに、独自の要素による差別化が大切なのではないか。そこで、お客様にわかりやすく情報を伝えられるメディア・ユニバーサルデザインによる付加価値も、差別化の要素の一つとして薦められました。

Session 2:覚えておきたいInDesign時短テクニック

スピーカー:森 裕司 氏(InDesignの勉強部屋)


森さんからは、InDesignで時短につながるさまざまな機能活用のお話。ショートカット、アプリケーションデフォルトのカスタマイズ、コピー&ペーストなどを、デモにて紹介するセッションでした。
まずは最低限覚えておきたいショートカット。キーボードショートカットや、文字ツールのクリック数でテキストの選択範囲を増やす方法、テキスト編集中に選択ツールへ持ち替えるショートカットなどを紹介。存在しないキーボードショートカットは登録できること、一覧としてテキストが書き出せる「セットを表示」についても解説がありました。
次に、アプリケーションデフォルト。ファイルを開く前に「フォント」「文字サイズ」「線幅」などをよく使う設定に指定しておくと以後の新規作成ドキュメントに設定が反映できることや、スウォッチ、文字組アキ量設定などは他のファイルから読み込むことで設定の手間が省けることを紹介。その中でもイチオシな機能として説明されたのが「オブジェクトスタイル」。ここに、角丸のサイズや罫線の太さ、テキストフレームの自動サイズ調整を「高さのみ」「幅のみ」で登録しておくことで、作業時の設定がワンクリックで行えるようになります。また、こういった設定は、書き出して社内で共有することもオススメされました。
そして、コピー&ペースト。InDesignには豊富なコピー&ペースト関連機能が備わっていますが、意外と知られていないものも多いとのこと。まず「スニペット」。ドキュメント上からデスクトップなどへオブジェクトをドラックするだけでスニペットファイルとして書き出せるので、部品の受け渡しでの利用が便利になります。また「元の位置にペースト」や「繰り返し複製」、Adobe MAXで紹介のあったという「選択範囲内にペースト」を使った小技など、用途に応じてのコピー&ペーストが紹介されました。
続いて紹介されたのがCCライブラリ。[CCライブラリ]パネルにオブジェクトを登録することで、クラウド上で共有され、PhotoshopやIllustratorなどの間でもアセットとして複製使用が可能になるクラウドならではのものです。
さらに、何個も使用するオブジェクトを親オブジェクトのリンクとして運用し、変更時は親オブジェクトだけを修正すればリンクの更新だけで反映が可能になる「コンテンツ収集(配置)ツール」も改めてその便利さが解説されました。
その後「オブジェクトスタイルのサイズと位置のオプション」「段落の囲み罫と背景色」といったCC 2018からの新機能や、inddドキュメントをブラウザ上で公開してシェアできる「Publish Online」も紹介。「Publish Online」は閲覧しているブラウザ上からPDFのダウンロードもできるため、公開した客先でのプリントも可能で、ドキュメントの確認手段のひとつとしても有効活用できそうな機能でした。
最後はAdobe MAXで紹介された、カレンダーを作成するスクリプト。期間をセットするだけですぐにカレンダーが生成され、セッションを締めくくりました。
新機能はもちろんですが、これまでInDesignに追加されてきた機能を組合わせたり連携することで、作業時間の短縮に確実に効いてくることが分かるとても有意義な時間となりました。いずれの機能も、知らなくても作業自体はできてしまいますし、知っていたけど使っていなかったという方もいたかと思います。そういった機能を森さんから改めて紹介してもらうことで、見直すきっかけを与えてもらえたように感じました。

Session 3:アピアランス道2017
(グループの抜きとグループアピアランスで実現するアピアランスの新境地)

スピーカー:鷹野 雅弘 氏 (株式会社スイッチ)


鷹野さんのIllustratorのセッションは、パペットワープツールの紹介(文字はピンをつけると勝手にアウトライン化される)から始まり、カラーフォント(OpenType-SVG)での絵文字の表示のさせ方から、フォントの作り方に至るまで、Illustratorでの文字関係のお話とデモがテンポよく展開され、一気に参加者を惹きつけました。
また、本題に入る前のウォーミングアップとして「ワークフローをデザインする」と銘打ち、速く安全に良いものを作るためのワークフロー最適化や改善方法を解説。繰り返す作業や手間のかかる作業でのリスクやコストを想定し、効率化、省力化、自動化を行って手数を減らす。作業が速いだけでなく、修正のしやすさや、一括更新ができる、直しに強いデータづくり。これらの作業を行うために、最適な方法を知っておくこと。さらに、チームの他のスタッフや、未来の自分、誰がやっても同じ結果が得られるように作業を標準化。データの管理・運用についてもルールを取り決めること等…ひたすら作業をするのではなく、ワークフローをデザインするということで得られるメリットが、理屈からよくわかりました。
そしていよいよ本題の「アピアランス道2017」へ。まずアピアランスに不慣れな人にも分かるように、パスに対してどういった事が行えるのか、アピアランス機能が搭載される前まではどうだったのかも含めて説明。そして、グラフィックスタイルとの連携や他のドキュメントへの展開方法、さらに「効果」メニューでどうやって「したことする」ことができるのか徹底解説されました。
アピアランスで何ができるかが分かってきたところで、テキストへのグラデーションやフチ、ポストイット風、ボタン風、面取りに見せる方法などが具体例として解説され、レイヤーを対象としたアピアランスも、地図イラストを例に用いてレイヤー上で扱うオブジェクト全てに設定が反映できることを紹介されました。
ここまでのことを教えてもらえるだけでも充分にありがたい内容だと思うのですが、「アピアランス道2017」はこれだけに留まりませんでした。樋口泰行先生、hamkoさん、高橋としゆきさん、そして当日出席されていた茄子川導彦さんの”アピアランスの偉人”の方々や鷹野さん自身が行ってきた研究結果として「パスファインダー」「グループアピアランス」「グループの抜き」がアピアランスの「新境地」として披露されました。
アピアランスの効果としての「パスファインダー」では、丸窓数字の透過部分をアウトライン化や他のオブジェクトを重ねずにアピアランスだけで埋めることができたり、元々のオブジェクトのパスの形状で切り抜きして作られた切手や歯車が紹介されました。
「グループアピアランス」は、グループ化したオブジェクトにアピアランスの設定が与えられるもの。デモではグループオブジェクトに四角形を付加、グループのサイズが変更された場合でも、四角形が連動する様子まで見る事ができました。「グループの抜き」は、事前に不透明度0%にした任意のオブジェクトをグループ化後に「抜き」にすることができるので、ドーナツグラフをはじめとした様々な場面で使えることが説明されました。
フォローアップでもサンプルデータ配信と関連リンクはもちろん、質問に対する回答や、セッション動画も参加者向けにに公開され、後日実務で内容を正確に参照できるようになっており最後まで作業者にありがたい丁寧なセッションでした。

レポート:吉岡典彦