今回のDTPの勉強部屋は、適用範囲の広いAdobe IllustratorとPhotoshopの二大ソフトを取り上げ開催しました。Session 1では「イラレラボ」のカワココさんから、「イラレラボ出張版:Illustrator積極的に使っていきたい新機能」として、Illustratorの新機能の具体的な使い方を中心にお話いただきました。Session 2では株式会社テイク・フォト・システムズ代表でPhotoshopの解説書を数多く手掛ける藤本圭さんから、「プロに学ぶ10年使える画像コントロールテクニック@Live」としてPhotoshopによる画像の加工方法を解説いただきました。
Session 1:イラレラボ出張版:Illustrator積極的に使っていきたい新機能
スピーカー:カワココ氏(イラレラボ)
Session 1ではAdobe Illusutratorの機能紹介やフリー素材の配布を行うサイト「イラレラボ」を運営され、Illusutratorを取り上げるセミナーで講演もされている、Webデザイナー/イラストレーターのカワココさんが2回目のご登壇をされました。
「アプリケーションをアップグレードしたら、中の人もアップグレードしましょう!」として、新機能の具体的な使い方のデモを中心に進められました。
パターンを使った桜の作成に始まり、線のグラデーションによる葉と木、文字のアピアランスによるリボン、個別変形によるランダムなストライプのパターン、散布ブラシによるキラキラ雪ブラシ……等々。Illustrator CS6、CS5の新機能を中心に、あまり知られていないけれど便利なネタ、作業の効率をアップするテクニックをご紹介いただきました。
あまりにも鮮やかなIllustratorの使いこなしに会場から歓声が上がるほどのデモが繰り広げられました。
プチセッション:
今回は5名の方からご発表いただきました。
スピーカー:丹羽規仁氏(Studio es)
「ボランティアのすすめ」として、自ら東日本大震災の被災地を訪れた経験談を中心に語られました。クリエーティブ活動を通したチャリティーの可能性を示され、新たに立ち上げたボランティア団体「ちいさなちから」での事例を紹介されました。
スピーカー:今関洋一氏(blue-screeeeeeen.net)
製版処理時にPDFの絵柄が天地センターにないと感じた時その直感は正しいとして、Acrobatのグリッド機能を用いた「Acrobatでpdfが天地左右センターにあるかを確認する方法」を紹介されました。
スピーカー:オクガワチカ氏(デザイナー)
「自己紹介のために名刺の、版下を作ってみた。」として、「『写植の時代』展」での写植の印字や版下作成に手探りでチャレンジされた様子を紹介されました。
スピーカー:井上香奈子氏(株式会社文渓堂)
学習参考書の出版社で表紙制作を担当される立場から、学参業界における特有なデザイン・制作進行の事情を紹介され、「発注なう。」としてタフな表紙デザイナーを募集する告知をされました。
スピーカー:畑中胡桃氏(COO)
「クリエーターズマーケット」に立上げ時より関わり、会場でクリエーターの交流を支援される畑中胡桃さんが2012年12月1日(土)・2日(日)に開催されたこのイベントの紹介ムービーを用意され、YUJIさんが代理で放映されました。
Session 2:プロに学ぶ10年使える画像コントロールテクニック@Live
スピーカー:藤本圭氏(株式会社テイク・フォト・システムズ)
Session 2ではブライダルフォトやPhotoshopによる写真加工を中心に、写真スタジオの効率化やデータベースを含めたPhotoshopのワークフロー構築、Photoshopのセミナーなど幅広く活躍される株式会社テイク・フォト・システムズ代表の藤本圭さんにお話しいただきました。
先ず自己紹介と『Photoshopデザインラボ.プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック.[改訂第二版]【CS〜CS5対応】』、『Photoshop 10年使える逆引き手帖 【CS6/CS5/CS4/CS3対応】』(共にソフトバンククリエイティブ)等の著書の紹介から入り、デモを交えて3つのコンテンツを講演していただきました。
1つ目に「選択範囲・アルファチャンネル総まとめ!」として、選択範囲の様々な作り方として画像から選択範囲を作る方法から入り、クイックマスクやレイヤーマスクを駆使したアルファチャンネルの応用までを紹介されました。
続いて「カラーチャンネルを使用して柔らかくハイキーな画像を作る」として、人の肌の画像をモチーフにカラーチャンネルとアルファチャンネルを利用し、美しいソフトソフトフォーカスを作り方を披露されました。
最後の「さまざまな方法で合成を行い、廃墟の画像を作る」では、先に紹介された方法にVanishing Pointやゆがみフィルター等様々な手法を組み合わせて、実際には存在しない廃墟の画像をその場で作り上げ、会場を沸かせました。加えて、聴講者からの質問に応えて「肌の質感を再現する方法」を披露し締めくくられました。
レポート:神澤有希恵、的場仁利