今回は、「その3 グリフレットの使用」について記述させていただきます。
SINGグリフレットマネージャに登録したグリフレットは、InDesign CS2およびInCopy CS2で使用することができます。現時点では、字形パレットを使用してグリフレットの入力を行いますか、グリフレットによって字形パレットの表示を切り替えると、スムーズに入力ができます。
※エルゴソフトやジャストシステムがSINGに対応を表明していますので、将来的にはIMからグリフレットの入力が可能になると思われます。
まず、入力するグリフレットが親文字を持っている場合には、親文字を入力後、字形パレットの[表示]を[選択された文字の異体字を表示]に切り替えると、素早く入力できます(下図)。
親文字は持たないが、親フォントを持つグリフレットの入力は、[表示]を[すべての字形を表示]のまま、一番下までスクロールすると目的のグリフレットを探すことができます(下図)。
親文字も親フォントも持たない記号などの場合には、字形パレット左下のフォントを[外字]にすることで探すことができます(下図)。
このようにしてグリフレットを使用したドキュメントは、保存時にグリフレットが埋め込まれます。そのため、そのドキュメントで使用しているグリフレットを持たない他の作業者にドキュメントを渡しても、問題なく表示・出力・PDF書き出しは可能です。もちろんドキュメントにグリフレットを添付する必要もありません。
※SINGテクノロジーにはモリサワ、フォントワークスジャパン、イワタ、大日本スクリーン、リョービの5社のフォントベンダーが対応を表明しています。2005年7月現在、まだどこのフォントベンダーからもグリフレットの販売は行われていませんが、今後、グリフレットの販売等も行われると思われます(Webでのダウンロード販売や、パッケージでの販売など、どういった形態で販売されるかは、フォントベンダーにより異なると予想されます)。
(補足)
われわれ一般ユーザが、Illustrator CS2で作成したグリフレットを埋め込んだドキュメントを(そのグリフレットを持たない)他の環境に渡した場合、他の環境においても、同一ドキュメント内、および他のドキュメントにそのグリフレットをコピー&ペーストして使用することが可能です。しかし、今後フォントベンダーが販売するグリフレットでは、かならずしもコピー&ペーストが可能とは限りません。
※SINGグリフレットは、表示やコピー&ペースト、SINGグリフレットマネージャへの登録などに関して、「許可する/許可しない」といった設定を内部的に行うことが可能です(われわれがIllustrator CS2で作成するグリフレットではできません)。そのため、違法コピーを防ぐためにコピー&ペースト等に制限がかかる可能性もあります。