第25回勉強会終了報告

今回のDTPの勉強部屋は、Session 1では株式会社広告製版社に所属する一方、個人でも多彩な発信をされている野口尚子さんから、「版にアプローチするPhotoshop TIPS: CTPをHackせよ」として、Photoshopによる製版を意識したデータの作り方をお話いただきました。Session 2ではエディトリアルデザイナー/DTPオペレーターであり、欧文タイプセッターであるコントヨコさんから、「InDesignで欧文組版─基本操作と欧文文字・段落の扱い方─」として、InDesignにおける欧文組版の実践についてお話いただきました。


Session 1:版にアプローチするPhotoshop TIPS: CTPをHackせよ
スピーカー:野口 尚子 氏印刷の余白Lab.

Session 1では製版会社でプリンティングディレクターをされる一方、個人でも「紙ラボ!」としてセミナーやワークショップの講師を行い、共著『印刷・加工DIYブック』『特殊印刷・加工DIYブック』(共にグラフィック社)に執筆し、2012年6月に『Play Printing―しくみを知って使いこなす、オフセット印刷、紙、インキ』(BNN新社)を刊行された野口尚子さんから、Photoshopによる製版を意識したデータの作り方をお話いただきました。
始めに「ハーフトーンスクリーンで網点化」として、網点の形状と角度や解像度をコントロールし、網点分解されたような画像の作り方を紹介されました。
次に「GCRを使ったダブルトーンの作り方」として、効果的なダブルトーン画像の作成の仕方を解説し、実演されました。
続いて2色でもパンチのある画像を作ることができる方法を「チャンネルミキシングと多色刷り」として紹介され、加工する画像と元画像を比較しながら、どの色をどの版で出力するのかイメージしながら行う形で進められました。
実験としてイメージセッターにぴったりの2階調パターンを作成し、ここから作られた極小のイラストが描かれた刷版を披露し会場を沸かせました。


Session 2:InDesignで欧文組版―基本操作と欧文文字・段落の扱い方―
スピーカー:コン トヨコ 氏I Love Typesetting

Session 2では株式会社講談社インターナショナル、「週刊ダイヤモンド」デザイン室を経て、現在エディトリアルデザイナー/DTPオペレーターであり、欧文タイプセッターでいらっしゃるコントヨコさんから日本語版InDesignによる欧文組版の実践についてお話いただきました。
基本用語の確認から入り、日本語版InDesignの特徴を述べられ、「こんな組版よく見かけませんか?」、「より美しい欧文組版」として、組版を無理がなく自然で、より美しいものにする方法をデモを交えながらプレゼンされました。
日本語版InDesignを使う上での3つの大きな壁として「段落スタイル」「フレームグリッド」「文字組み空き量設定」があり、加えて欧文組版には「ハイフネーション」に気を遣う必要があると述べられ、「言語」「コンポーザ」「カーニング」の3つの設定を丁寧に説明されました。トラッキングのデフォルト値、キーボードショートカットからしかアクセスできない単語間隔の調整、ジャスティフィケーションによる行の調整方法等、講師の豊富な経験およびネイティブの読者へのヒアリングに基づく様々な解説をされました。
最後に、手元に置きたい書籍として、高岡昌生『欧文組版―組版の基礎とマナー』、小林章『欧文書体―その背景と使い方』(共に美術出版社)を紹介され締めくくられました。

レポート:壱岐孝平的場仁利


懇親会会場

第25回勉強会後の懇親会会場が決定しましたのでお知らせいたします。

場所:つくね屋本舗 名駅店
   名古屋市中村区名駅4-4-38 B1F(ウインクあいち 地下1階)
   名古屋駅徒歩5分
   TEL 052-551-0390
時間:午後7時00分〜
料金:4,500円

よろしくお願い致します。


第25回勉強会のお知らせ

第25回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。セミナー(および懇親会)参加希望者の方は、「勉強会お申し込み」ボタンからお申し込みください。
※今回、プチセッションはありません。

なお、セミナー終了後にその場で交流会を開催させていただきます。日頃、同業他社の方と話をする機会が少ない方も、ぜひ交流を図って情報交換等をしていただければと思います。

■勉強会
日 時:2012年8月18日(土)14時00分〜19時00分
    【セミナーは14時〜18時、交流会は18時〜19時00分を予定しています】
    (13時30分より受付開始)
会 場:ウインクあいち 小ホール
    〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38
    JR名古屋駅桜通口からミッドランドスクエア方面 徒歩5分
    ユニモール地下街 5番出口 徒歩2分
定 員:130名
受講料:2,000円(希望者には領収書を発行できます)

■内容(予定)
Session 1:版にアプローチするPhotoshop TIPS:CTPをhackせよ
入稿データをつくるとき「製版」を意識していますか?
CTPが普及してから、データ上で版の一枚一枚をシミュレーションしていじることができるようになりました。そこで、今回は主にPhotoshopを使って「版」にアプローチするテクニックを、便利な機能からちょっとした裏技までご紹介します。CTPをhack!するつもりで印刷で遊べるデータのつくりかたを考えてみましょう。


スピーカー:野口 尚子 氏(印刷の余白Lab.
出版制作会社を経由してフリーの印刷ディレクター・デザイナーとしての活動後、株式会社広告製版社に所属。個人でも執筆や、紙ラボ!としてセミナー・ワークショップの講師を行っている。単著に『Play Printing しくみを知って使いこなす、オフセット印刷、紙、インキ』(BNN新社)、共著に『印刷・加工DIYブック』『特殊印刷・加工DIYブック』(グラフィック社)。

Session 2:InDesignで欧文組版 ─基本操作と欧文文字・段落の扱い方─
日本語版InDesignには、日本語用組版のための、便利で高度な機能がたくさん搭載されています。そんな日本語版InDesignで欧文組版をしてみると、どこに欧文組版の機能が隠れているのか、見つけるだけでもなかなか一仕事です。締め切りもあるし、「まっ、見た目でよければいいや、えいっ」と力技で日本語設定のまま欧文組版をしていませんか?
この日本語用と欧文用機能を理解し使い分け、また、欧文組版でおさえておきたい組版ルールを知ることで、ネイティヴ(英語を母国語とする人たち)が見ても、不自然でない、無理のない組版に役立つノウハウをご紹介いたします。
セッションの3本柱
●InDesign日本語版においては、日本語用と欧文用の機能が混在していることを理解し、使い分けよう。
●欧文組版のPunctuation(約物)は、InDesignではどのように表示し、扱うのかを理解しよう。
●欧文テキストに対するレタースペース(文字間)、ワードスペース(単語間)の調整の仕方を理解しよう。


スピーカー:コン トヨコ 氏(今 豊子)
所属:フリーランス
肩書き:エディトリアルデザイナー/DTPオペレーター・欧文タイプセッター(DTP検定 I種プロフェッショナル)
プロフィール:1994年より約15年間、株式会社講談社インターナショナルにて、欧文タイプセッターとして英文書籍制作に携わる。英語版QuarkXpress3.1から始まり、日本語版QX3.3、4.1を経て、InDesignCSよりInDesignへ移行。
2008年 翻訳コーディネーター、2009年「週刊ダイヤモンド」デザイン室にてOS Xへの移行・InDesign講師を経て、現在はフリーランスで、主に英文書・語学書・教科書の書籍制作、官公庁などの日英冊子の制作に携わる。個人ブログ「I Love Typesetting」にて2011年5月より「InDesignによる欧文組版の基本操作」連載開始。このブログをきっかけに「DTP Booster」「DTPの勉強会」「CSS Nite」「TypeTalks」に講師としても参加。
Twitterアカウント:@RoseKonT



■タイムテーブル(予定です)
14:00〜14:05 ごあいさつ
14:05〜15:25 Session 1
15:25〜15:40 休憩
15:40〜17:50 Session 2(途中休憩あり)
17:50〜18:00 ごあいさつ
18:00〜19:00 交流会

■懇親会(交流会の後、席を変えての飲み会となりますので、希望者のみ申し込んでください)
時間:19時00分頃〜
場所はセミナー会場近くの居酒屋を予定しています。料金は実費です。
詳細が決まりましたら、後程お知らせいたします。

■お願い
※勉強会が近づきましたら、参加者には受講票をメールさせていただきます。
 セミナー当日はプリントして受付にご提示ください。
※当日はネームタッグをご用意いたしますので、名刺を1枚お持ちください。
※USTREAMでの中継や動画撮影は禁止とさせていただいております。
※キータイプの音が気になる方もいらっしゃいます。
 セミナー会場でパソコンを使用する際には、回りの迷惑にならない範囲でご使用ください。

※セミナーは先着順にて受付し、定員に達し次第受付を締め切ります。
※重複してお申し込みはできません。
※部屋の温度調整は行いますが、座る場所によっては寒いといったケースがあるかもしれません。ひざ掛けやカーディガン等をお持ちいただくと良いかもしれません。
※申し込みのキャンセルや申し込み内容の変更、ご質問等がありましたら、「お問い合わせ」ボタンからご連絡下さい(その際には登録番号をお知らせください)。