今回のDTPの勉強部屋は、全編スクリプト特集となりました。前半は「たけうちとおるのスクリプトノート」の竹内亨さんによる初心者にもわかりやすいプレゼンテーション、後半は「Cross the Sea」の浅田正洋さんによる熱いトークが繰り広げられました。会場変更が必要になるほど多くの方にご参加いただくことができ、プログラムへの関心の高まりを感じさせる盛大なイベントとなりました。


Session 1:「DTP作業を楽にするスクリプト入門」
スピーカー:竹内亨氏(たけうちとおるのスクリプトノート

どんな作業をスクリプトにすると良いかといった示唆に富んだ実例を紹介しつつ、WEB上に発表されている優れたスクリプトをカスタマイズする方法などが紹介され、まさに初心者にうってつけのお話しでした。限られた時間の中で、カスタマイズ手順の一例、スクリプトの読み方、他人が利用することを考慮したエラー処理の入れ方まで丁寧に解説された非常に理解しやすい内容でした。

スクリプトの役割として、通常のオペレーションのほぼ全領域に及ぶというスクリプトの守備範囲を示し、同じ作業を何度も反復して行う場合のオブジェクトの選択ミスや数値の入力ミスといったヒューマンエラーを防止するというスクリプトを作成する意義が紹介されました。
また、ExtendScript Toolkit2というユーティリティの使い方の解説では、そのときの手作業を部分的に自動化するためのツールとしてJavaScriptを書く方法が披露され、書き捨てのスクリプトを作成することの意義が語られました。


Session 2:「自動組版のはじめの一歩」
スピーカー:浅田正洋氏(Cross the Sea

Macのみで利用できるAppleScriptが中心に取り上げられましたが、自動組版という大きな括りに共通する入口の部分に重点が置かれた講義でした。業界にオペレータ出身の自動組版開発者が一人でも増えることを期待した、大変熱のこもった講義でした。

自動組版についての心得として、市販の自動組版システムではクライアントの要求を満たすことが難しく、非常に高い確率で発生するイレギュラーな修正もうまく対応できないことが多いこと、自動組版で仕事をすすめるにあたって、お客を含めた事前の共通理解が重要となるということなど貴重な意見が語られました。
また、自社内で開発する自動組版システムはパッケージ販売が目的ではないためアプリケーションの完成は一つの過程として捉えるべきであるとし、数をこなすことで自然に充実し、対応できる案件のキャパシティが広がっていくものであるとも述べられました。

AppleScriptの短所と長所として、AppleScriptとPerlの連携という時流に逆らうかのような言語の選択は、フレキシビリティの高いシステムの構築においては有利であると主張されました。講義の最後にはAdobeが提案する新技術「IDML」について口頭で簡単な紹介もされました。

レジュメと参考スクリプトを掲載しているサイト「Script Text Book

レポート:壱岐孝平(InDesign居残り補習室)、的場仁利(文字の旅人)、山森和海