10周年のお礼

皆さん、こんにちは。先日、第40回目の勉強会が終了しました。第1回の勉強会を開催したのが、2006年4月22日ですから、ちょうど10年が経ったわけです。

まずは、過去の勉強会にスピーカーとして登壇していただいた皆さん、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

・過去の登壇者(登壇順)
市川せうぞーさん/渡邊和仁さん/壱岐孝平さん/digioさん/小野塚繁基さん/西山正一さん/大橋幸二さん/菊地謙さん/浅田正洋さん/竹内亨さん/鷹野雅弘さん/カワココさん/大石十三夫さん/大熊肇さん/村上良日さん/坂口礼治さん/津田淳子さん/境祐司さん/北岡弘至さん/伊達千代さん/紺野慎一さん/岩本崇さん/樋口泰行さん/尾花暁さん/コントヨコさん/野口尚子さん/藤本圭さん/大倉壽子さん/藤井太洋さん/カイシトモヤさん/茄子川導彦さん/坂野公一さん/宮地知さん/加納佑輔さん/的場仁利さん/小杉幸一さん/濱口博文さん/鈴木一誌さん/丸山邦朋さん/矢野まさつぐさん/海津ヨシノリさん/五十嵐華子さん/小川明生さん/菊池美範さん

また、プチセッションにも多くの方に登壇していただきました。ありがとうございました。

この文書を読んでくれている方の多くは、過去の勉強会に参加したことのある方だと思いますので、この10年を振り返りながら、私の思いを伝えたいと思います。

勉強会を始めたきっかけ

振り返ってみると、長いようであっという間な10年だったように思いますが、まずは勉強会を始めたきっかけについてお話したいと思います。

私がDTPを始めたのが二十数年前ですが、当時はもちろんこのような勉強会はなく、知識を得るためには“詳しい人に教えてもらったり”“関連する書籍を読んだり”といった方法しかありませんでした。しかし、徐々にインターネットが普及しはじめ、多くの方がネット上に有益な情報を発信してくれるようになりました。フリーランスだった私は、こういった場で随分と勉強させていただいたのを覚えています。そして、DTP系サイトのオフ会が開かれるようになったのもこの頃でした。その多くは東京で開催されていましたが、私は自腹でちょくちょく参加させていただくように。名古屋から参加すると確かにお金はかかりましたが、オフ会には多くの有名な方や知識豊富な方がたくさん集まってきており、そこで得た知識や友人が、今の私の基礎になっていると言っても過言ではありません。

また、Apple User Groupの活動が活発になってきたのもその頃です。名古屋にもいくつかUser Groupがあり、その1つに入ってApple製品についての情報交換を始めました。小さな会でしたが、メンバーの誰かがApple製品やさまざまなソフトウェアについてプレゼンし、情報を伝えるというオフ会を開催していました。このオフ会での経験が、今の勉強会の基礎になったと言えるかもしれません。

そんな折り、あるイベントの後の懇親会で、A社の方から「名古屋のDTPをユーザーから盛り上げていきましょう」と肩を押されたわけです。つまり、「ユーザーが作るユーザーのためのセミナー(勉強会)をやりましょうよ」と言われたわけですね。「会場費ぐらいうちが出しますから」とも言われましたが、ただの一度のお金を出してもらったことはありませんけどね(笑)
また当時、名古屋には「WCAN」というWebの勉強会がスタートしていました。「DTPでもこんな勉強会ができたらいいな〜」と思ったのも理由の1つです。つまり、素敵なお手本がすでにあったというわけですね。

そのなこんなで、私も「よしっ、DTPの勉強会をやってみるか」との思いで始めたのがこの勉強会です。当初は私の知り合いに声を掛けて20名ぐらいの参加者でスタートしました。これまで宣伝らしい宣伝はしてきませんでしたが、口コミ等で徐々に広がり、今では100名程の方が参加してくれるイベントになりました。ありがとうございます。

勉強会への思い

そもそも、この勉強会を始めるにあたっての私の思いは2つありました。
1つ目は「知識を得てほしい」というこ。それも特に若い方に勉強してほしいと思っていました(もちろん、ベテランの方にも勉強してほしいですが……)。私のようにフリーランスだと、先輩や同僚から教えていただくといった機会はありません。また、会社によってもやり方はまちまちで、「自分の会社の常識が他社では非常識」なんてこともありますし、また他の人がどんなやり方をしているのかを学ぶということは非常に重要です。「こうやれ」と教えられたことでも、「何でこうするのか」という根本的な部分を理解していないと応用が効かないからです。ですから、古い時代の印刷や制作を知っている方には当たり前のことでも、若い方には当たり前じゃないことも多いわけです。そういった意味からも、とくに若い方に学んでほしいと思っていました。

2つ目は「横の繋がりを持ってほしい」ということ。先にも書きましたが、私自身、オフ会で多くの友達や知識を得ました。オフ会等で同業者の方と会話をし、情報を交換するということはお金に変えがたいものです。オフ会に参加する方は向上心のある方が多いですし、また仕事の上での繋がりができるかもしれません。そして何より、「やる気」をもらえます。極端な言い方をすれば、勉強の場よりも交流の場の方が重要と言えるかもしれません(あっ、もちろん勉強は重要ですよ)。これは、私自身の経験から強く思う気持ちです。

そもそも、この2つの思いで勉強会を始めました。この会の名前が『DTPの勉強部屋』となっているのも、セミナーイベントというよりも「みんなで一緒に勉強していきましょう」という思いが強かったからです。ですから、この勉強会の目的は勉強や交流の場であって、それ以上でもそれ以下でもありません。勉強会に人を集めるのが目的ではないですし、利益を出すことが目的でもありません。協賛金もまったくいただいていないですし、正直、この勉強会では1円も儲けていません。
私の個人的な気持ちから言えば、本当は無料にしたいとも思うのですが、会場を借りるお金やスピーカーの方にお支払いする交通費や謝礼を捻出する必要があるために、皆さんに受講料を頂いているというわけです。本来であればスピーカーの方にももっとお支払いしたいのですが、ユーザーベースの勉強会ということで、スピーカーの方にはご協力いただいています。本当に感謝でいっぱいです。

それともう1つ、勉強会の広がりについてもお話しておきますね。大阪の宮地さんがこの勉強会に参加されて、「大阪でも勉強会をやりたい」という強い思いで始められたのが『大阪DTPの勉強部屋』です。宮地さんに「勉強部屋」の名前を使わせてほしいと言われた時には、とても嬉しかったのを覚えています。宮地さんが『大阪DTPの勉強部屋』で頑張っておられる姿は、私自身、おおきな励みになっています。その後、東京や埼玉、山口でも勉強会がスタートしました。今後も、こういった勉強会が各地に広がっていくことを願っています。

勉強会の今後

勉強会もスタートして10年が経ちましたが、最近、「参加してくれる方が減ってきているなー」と感じてきています。最近では、ネットでさまざまな情報を得ることができますし、動画が公開されているものもあります。わざわざ足を運んでセミナーに参加しなくても、情報を得ることができる時代になったわけです。しかし、個人的には生で参加するメリットは大きいと考えています。やはりスピーカーの方の伝えたい思いは、ライブで参加する方が伝わりますよね。ですから多くの方が勉強会に参加したくなるように、我々、運営側もいろいろと変わっていく必要があると思っています。

そこで、これまで3ヵ月に1度の割合で開催していた勉強会を6ヵ月に一度の勉強会のしようと思っています。これまで、基本的にメインセミナー2本で運営してきましたが、プチセッションをやめてメインセミナー3本とし、より濃い内容で開催していこうと考えています。ただ、受講料は3,000円に上げさせていただきます。2,000円では運営がたちゆかなくなるため、申し訳ありませんがご理解ください。

また、メインの勉強会の回数が減った分、違ったアプローチの勉強会を開催しようかとも考えています。例えば、10〜20名ぐらいのミニ勉強会です。大きな勉強会ではセミナー中に質問したりはできませんが、小さな勉強会であれば、参加者同士で気軽に質問したり、話し合ったりしながら進めていくことができます。このミニ勉強会については、どのように開催するか等、まだ詳細は決めておりませんので、何か良い案があったらお聞かせください。

いずれにせよ、運営方法やその内容を変えながら、当初の思いである「学ぶこと」と「繋がること」を忘れない勉強会として運営していきたいと思っています。この先ずっと続けていきたいと思っていますので、これからも応援してください。

10周年を迎えられたのも皆さんのおかげです。
ありがとうございました!