No.22 レイアウト調整を使用した版面設計の変更

InDesignには、バージョン1.0の頃から[レイアウト調整]という機能が付いています(詳細はStudy Room 1.0 No.71、および「自動レイアウト調整機能について」を参照してください)。
一般的にドキュメントサイズが変更になった場合に使用する機能ですが、「ドキュメントサイズは変わらなくても、ベースとなるレイアウトグリッドが変更になるようなケース」で使用すると便利だということを教えていただきましたので、こちらでもご紹介させていただきます。

ちょっと話は変わりますが、「皆さん、長文テキストを流し込むドキュメントを新規作成する場合に、[新規ドキュメントダイアログ]で[マスターにテキストフレーム]はオンにしますか? それともオフにしますか?」(下図参照)。



オンとオフのどちらでも人それぞれの好みだと思いますが、私はこれまでオフで使用してきました。
理由としては、後からページを追加したり削除したりすると、すでにテキストが流し込まれているフレームグリッドの下にさらにフレームグリッドが作成されてしまうのが嫌だったからです(下図では、ページを追加、または削除した際にテキストが流れているフレームグリッドをずらして表示させたものです。ページの増減があったことで、マスターページ上のフレームグリッドが再度反映されています)。
※QuarkXPressの考え方だとオンにすべきでしょうが、InDesignでは自動流し込みが可能なため、あらかじめマスターページにフレームグリッドを作成しておかなくても、テキストがすべて収まるまで一気にテキストを流し込んでくれます。



しかし、あとから版面設計を変更する可能性があるようなケースでは、[マスターにテキストフレーム]はオンで新規ドキュメントを作成しておくと便利です。
まずは、[マスターにテキストフレーム]はオンで新規ドキュメントを作成し、下図のように長文テキストを流し込みました。



制作の途中で版面設計が変更になったとしましょう。ここでは、天、地、ノド、小口の各アキが変更になったとします。このような場合に便利な機能が[レイアウト調整]です。まずは、[レイアウト]メニューから[レイアウト調整]を選択します。



[レイアウト調整]ダイアログが表示されるので、[レイアウト調整を使用]にチェックを入れ、[OK]ボタンをクリックします(上図)。次に、マスターページを表示させ、[レイアウト]メニューから[レイアウトグリッド設定]を選択します。





上図のように、天、地、ノド、小口のサイズを変更してみましょう。すると、変更したレイアウトグリッドに合わせてフレームグリッドの位置も変更されるのが分かります。これは、[レイアウト調整を使用]がオンになっているからです(下図参照)。





では、次に 行間、行数、段落などを変更してみましょう。もう一度、[レイアウトグリッド設定]ダイアログを表示させ、行間、行数、段落などを変更します(下図参照)。



レイアウトグリッドが変更されたことに伴い、フレームグリッドも変更されますが、レイアウトグリッドとフレームグリッドは異なる設定となってしまいました(下図参照)。[レイアウト調整]では、ガイド等に合わせてできるだけフレームグリッドを調整しようとしますが、フレームグリッドのすべての設定内容までは調整ができないからです。



そこで、フレームグリッドを選択し、[オブジェクト]メニューから[フレームグリッド設定]を選択して[フレームグリッド設定]ダイアログを表示させ、レイアウトグリッドと同じになるよう設定を変更します。この際、マスターページの見開き両方のフレームグリッドを変更してください。また、変更後にレイアウトグリッドとフレームグリッドが同じにならなかった場合には、フレームグリッドのハンドルをドラッグしてサイズを調整してください。



マスターページ上のフレームグリッドが修正され、レイアウトグリッドと同じ設定になりました。もちろん、ドキュメントページのフレームグリッドにも修正が反映されるため、すべてのページが一気に新しい版面設計で組み直されます。
なお、[マスターにテキストフレーム]はオフで新規ドキュメントを作成した場合には、マスターページ上にフレームグリッドがないため、新しい版面の新規ドキュメントを作成して、テキストを流し込み直すことになります(天、地、ノド、小口、段間などの位置変更に関しては、[マスターにテキストフレーム]はオフで作成していた場合でも、[レイアウト調整]が反映され、位置が修正されます)。

あとから版面が変更になるような可能性がある場合には、[マスターにテキストフレーム]をオンにして新規ドキュメントを作成しておくとよいでしょう。


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