No.45 オーバープリントの注意点

オーバープリントを適用する場合には、いくつか注意すべき点があります。まず、下図のようなオブジェクトを作成しました。



背面には「M50/Y50」のオブジェクト、前面には「C50」のオブジェクトを作成し、前面オブジェクトの塗りにオーバープリントを適用しました。これに対し、[オーバープリントプレビュー]を実行します(下図)。



すると、オブジェクトが重なった部分の表示が変わります。念のため、[分版]パレットで重なった部分の各版の濃度を確認します(下図)。



ちゃんと「C50/M50/Y50」になっているのがわかります。
では、前面のオブジェクトのカラーを「C50」から「C50/M10」に変更するとどうなるでしょうか。M版のみを考えた場合、重なった部分は背面のオブジェクトが50%、前面が10%なので、計60%になるような気がしますが実際はそうではありません。実際には、M版は10%となります(下図参照)。



InDeisgnやIllustratorといったアプリーケーションでは、重なる部分に同じ版の色成分がある場合、前面オブジェクトの濃度のみが適用されます。例えば今回のケースでは、重なった部分のM版は前面オブジェクトの「M10」で出力されるわけです。出力ミスをさけるためにも、必ず[オーバープリントプレビュー]や[分版]パレットで確認すると良いでしょう。

また、Illustratorでは「白」に対してオーバープリントが適用できてしまうので注意が必要です(InDesignでは「紙色」や「白」に対して、オーバープリントを実行することはできません)。下図は、Illustrator CS2のスクリーンショットですが、白いテキストに対してオーバープリントが適用できるのがわかります。



通常は下図のようなアラートが出るので誤って設定することは少ないと思いますが、オーバープリントを設定した墨文字等をコピーし、カラーを白に変更するようなケースではアラートが出ませんので注意して下さい。



[オーバープリントプレビュー]を実行すると、下図のように表示され、出力の際には文字は抜け落ちますので注意しましょう。



検索する

YUJI の執筆書籍

初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門 改訂2版(2023/12/22/エムディエヌコーポレーション)

初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門 改訂2版(2023/12/22/エムディエヌコーポレーション)

  • 初心者からちゃんとしたプロになる InDesign基礎入門 改訂2版
  • エムディエヌコーポレーション
  • 2023/12/22

Amazon

Amazon

DTP&印刷しくみ事典(2022/11/29/ボーンデジタル)

DTP&印刷しくみ事典(2022/11/29/ボーンデジタル)

  • DTP&印刷しくみ事典
  • ボーンデジタル
  • 2022/11/29

Amazon

Amazon

InDesignパーフェクトブック CC 2018対応(2018/04/26/マイナビ出版)

InDesignパーフェクトブック CC 2018対応(2018/04/26/マイナビ出版)

  • InDesignパーフェクトブック CC 2018対応
  • マイナビ出版
  • 2018/04/26

Amazon

Amazon

InDesignプロフェッショナルの教科書 正しい組版と効率的なページ作成の最新技術 CC 2018/CC 2017/CC 2015/CC 2014/CC/CS6対応版(2018/3/13/エムディエヌコーポレーション)

InDesignプロフェッショナルの教科書 正しい組版と効率的なページ作成の最新技術 CC 2018/CC 2017/CC 2015/CC 2014/CC/CS6対応版(2018/3/13/エムディエヌコーポレーション)

  • InDesignプロフェッショナルの教科書 正しい組版と効率的なページ作成の最新技術 CC 2018/CC 2017/CC 2015/CC 2014/CC/CS6対応版
  • エムディエヌコーポレーション
  • 2018/3/13

Amazon

Amazon

超時短InDesign(2018/技術評論社)

超時短InDesign(2018/技術評論社)

  • 超時短InDesign
  • 技術評論社
  • 2018

Amazon

Amazon

InDesignパーフェクトブック(2023/2/2/InDesignの勉強部屋)

InDesignパーフェクトブック(2023/2/2/InDesignの勉強部屋)

  • InDesignパーフェクトブック
  • InDesignの勉強部屋
  • 2023/2/2

Amazon

Amazon