今回のDTPの勉強部屋は、Special Sessionを加えた4部構成で開催しました。1つめのSession 1では、「やっと到達、ニューワークフロー」と題して大寳製版の山田学さんによる製版の現在と近い未来についてのお話し。2つめは、恒例の質問コーナーを縮小版で実施。3つめは、Special Sessionとして Macお宝鑑定団の DANBOさんによる Mac OS X Leopardのレポート。4つめの Session 2では、InDesignの勉強部屋の YUJIさんが「Illustratorのデータ移行と制作のポイント」と題して Adobe Illustratorを取り上げ、盛りだくさんの内容となりました。また、お知らせとして我々 DTPの勉強部屋の母体である「InDesignの勉強部屋」が世界各国で活動する Adobe InDesignのユーザーグループをつなぐ情報サイト、「InDesignUser Group」に登録されたことを報告させていただくことができました。みなさまの日頃のご支援、ご協力に感謝いたします。

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Session 1：「やっと到達、ニューワークフロー」
　スピーカー：山田学氏（大寳製版株式会社）
前回の「出力側から見たニューワークフロー」の完結編として、現在の製版の中核をなす装置である RIPの現在と近い将来について、製版の最前線で活躍される山田学さんに解説いただきました。まずは、一般に知られる機会が少ない RIPの歴史と機種の紹介から始まり、プリフライトチェック、Jobチケットによる進捗管理、画像の最適化といった RIPが持つ機能を紹介。RIPを活用したトラブル回避テクニックや Adobe PDF Print Engineの登場で予想される環境の変化といった事柄をデモや体験談を交えながら詳しく解説されました。また、RIPに搭載されている多くの機能はデータ作成者を助けるためにあるとし、透明をそのまま扱うAdobe PDF Print Engineの登場によりデータ作成者は効率的な環境を手にする一方で出力結果を見通す知識が益々必要になるであろうという考えを述べられました。さらに Adobe PDF Print Engineの普及に向けて Adobe以外のベンダーが果たすべき役割の重要性についても警鐘を鳴らされていました。

Special Session：「Mac OS X Leopardについて」
　スピーカー：DANBO氏（Macお宝鑑定団）
日本最大の AppleとMacを中心とした PCニュースサイト、Macお宝鑑定団を主宰される DANBOさんに 10月末に発売された新しい MacのOS、Mac OS X 10.5 Leopardについてレポートしていただきました。アプリケーションの対応状況として、Acrobat 8、Adobe製ビデオソフトについての情報。続いて、DANBOさんが実際使ってみて良かった新機能として、システム全体をバックアップする Time Machine、JIS 2004に対応したヒラギノNフォント、小学館の辞書も搭載され強化された辞書機能、ファイルを開かずに内容を確認できる Quick Look等が紹介されました。

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Session 2：「Illustratorのデータ移行と制作のポイント」
　スピーカー：YUJI氏（InDesignの勉強部屋）
InDesignの勉強部屋の YUJIさんが Adobe Illustratorの各バージョン間のデータ移行のコツと Illustrator CS3での効率的な制作のポイントを解説されました。データ移行のコツについては、前置きとしてファイル名や拡張子のつけ方と Illustratorのバージョンの推移という基礎知識から入り、配置画像、フォント、文字組み等についてデータ移行の要点を詳しく解説。そして、Illustrator CS3での効率的な制作のポイントとしては、再編集可能なデータ作りが大切とし、ライブトレース、ライブペイント、ライブカラーによるライブ三兄弟に代表される非破壊編集機能、スタイルやシンボル等の活用を中心に解説されました。また、他の Adobe製品との連携、テキストエンジンの変更、文字組みアキ量設定といった新機能にも触れられました。

レポート：的場仁利（文字の旅人）